JCOPE2解析・予測画像の見方(3) 東北・太平洋沖の海面水温と流れ

JCOPEのホームページでは、黒潮親潮ウォッチで紹介している図以外に、様々な解析・予測画像を週に2回(2016/12/16号解説参照)更新し、公開しています。この解説では、連載「JCOPE2解析・予測画像の見方」の続きで、その解析・予測画像の見方を説明します。

JCOPE2解析・予測画像(英語)」のページに移動すると(移動方法は「JCOPE2解析・予測画像の見方(1)」参照)、それぞれの日付毎にいくつかの図を見れます。上から順に

  1. 伊豆諸島周辺の海面水温(等値線)と流れ(矢印)
  2. 東北・太平洋沖の海面水温(等値線)と流れ(矢印)(今回)
  3. 北海道東北・太平洋沖の水深100メートルの海水温(等値線・色)
  4. 黒潮域の水深200メートルの海水温(色)と流れ(矢印)
  5. 北西太平洋(JCOPE2計算全領域)の海面水温(色)
  6. 北西太平洋(JCOPE2計算全領域)の海面高度(等値線・色)
  7. 東シナ海の海面塩分

です。今回は「2.東北・太平洋沖の海面水温(等値線)と流れ(矢印)」の解説です。

2017年1月13日の日付を選んで、2番目の図を見ると、図1のような北関東・東北沖の図を見れます。

青い矢印は海面での流れの向きと強さ(メートル毎秒)をしめしています。長い矢印が集まっているのが流れが強いところです。

カラーの等値線と数字が海面での温度(ºC)をしめしています。南で温度が高く、北で温度が低いことがわかります。

茨城県沖で西から東に流れる強い流れが黒潮の続きである黒潮続流[1]です。その北の海域は、黒潮と親潮の水が混じり合う混合水域[2]です。

Fig1

図1: 2017年1月13日の東北・太平洋沖の海面水温(等値線)と流れ(矢印)。矢印などで注釈を加えた。

 

図1と1年前の1月13日の図(図2)を比較すると、1年前の黒潮続流(図2)は西から東へ比較的まっすぐ流れているのに対し、今年の1月13日の大きく蛇行しながら流れています。去年の途中から黒潮続流が大きく蛇行するようになっていることは、2016/7/22号「暴れる黒潮続流」で解説しています。この黒潮続流の蛇行のために、昨年から黒潮系の暖かい水が混合水域に流れ込みやすくなっています。図1と図2の水温を比較しても(例えば赤矢印でしめした16℃の等温線の位置参照)、今年の図1の方が北まで温度が高くなっています。例年より黒潮続流の北で温度が高くなっていることは、2017/1/13号「2016年の親潮をアニメーションで振り返る(親潮ウォッチ2017/01)」の解説も参照してください。

Fig2

図2: 同じく2016年1月13日。

 

図3では、2017年3月16日(予測)(図3左)と1年前の3月16日の図(図3右)を比較しています。黒潮続流の蛇行はまだ続きそうです(図3左)。一方で、北からの親潮からの冷たい水は、昨年より(図3右)は、今年の方が南下しそうです(図3左)。この海域の今後については親潮ウォッチでも解説していきますが、今回解説したの週2回更新されるJCOPE2Mの解析・予測画像もご活用ください。

Fig3

図3: 同じく[左]2017年3月16日(予測)、[右]2016年3月16日。

 

  1. [1]2016/2/19号解説「黒潮の続き、黒潮続流
  2. [2]2016/11/11号解説「親潮と黒潮の間・混合水域

美山 透

海の変化は、漁業海運エネルギー天候など様々なことに影響します。海洋予測がもっと身近なものになるように、頭をしぼって書いています。