2017年2月10日から4月13日の予測(2月15日発表)

黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です。四国・足摺岬で離岸、室戸岬で接岸、紀伊半島・潮岬でやや離岸しています。房総半島から黒潮が離れています。黒潮流路は八丈島の北を流れる接岸流路にいったん戻った後、再び離岸流路が発達しそうです。

JCOPE2の改良版であるJCOPE2M週2回の予測を行っています。ここでは2017年2月10日から4月13日の予測を解説します。

現状

図1と図2はJCOPE2Mで計算した2月10日と2月15日の黒潮の状態です。

黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です(図1,2)。

四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけては小規模な接岸と離岸の繰り返しになっています。現在は、足摺岬で離岸(離岸傾向p[1])、室戸岬で接岸(接岸傾向o)、潮岬でやや離岸(離岸傾向n)になっています(図2)。

房総半島では黒潮が離れています(図2、離岸傾向l)。

Fig1

図1: 観測値を取り入れて作成した2月10日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 2月15日の予測値。

 

予測

図3・図4・図5は2月22日・3月1日・4月13日の予測です。

八丈島の南を流れる離岸流路は、接岸傾向mが接近すると離岸が縮小し、八丈島の北を流れる接岸流路に一時戻りそうです(図3,4)。長期的は再び離岸流路が発達する可能性があります(図5)。

房総半島には、再び近づくまで(図4、接岸傾向α)、黒潮がしばらく離れそうです(図3、離岸傾向β)。

九州東岸から紀伊半島・潮岬にかけては、接岸とやや離岸の小刻みな繰り返しが続きそうです(図3,4)。ただし、3月から4月にかけて九州東部に大きめの離岸(小蛇行)が発達する可能性があります(図5)

図6は、2月10日から4月13日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 2月22日の予測値。

 

Fig4

図4: 3月1日の予測値。

 

Fig5

図5: 4月13日の予測値。図4から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図6: 2017年2月10日から4月13日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。
 

  1. [1]接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットで図示しています。赤字k,m,,が接岸傾向で、青字l,n,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通です)、同じアルファベット、例えば接岸傾向mが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。