「海洋速報」黒潮流軸とモデル予測の比較(2021年2月17日)

ポイント1. 黒潮流路「短期(10日)予測」は、黒潮大蛇行とその上流の蛇行をともによく表現できていました。上流の蛇行の形はより東にのびる傾向がありました。

ポイント2. 黒潮「長期(1か月)予測」は、黒潮大蛇行とその上流の蛇行の形をほぼ予測できていました。上流の蛇行はより下流側に移動する傾向がありました。

短期予測

今回は

2021年2月18日までの黒潮「短期」予測 (2021年2月10日発表) で示した予測結果にほぼ対応している結果(JCOPE-T DAモデルを紹介)について示します。まず現況予測結果を図1に示します。

Fig1

図1 海洋速報」黒潮流軸(黒線)とJCOPE-T DA黒潮流軸(緑線)。2021年2月9日。左上の数字は予測開始日を示す。

現況予測の結果(緑線)は黒潮大蛇行について海洋速報の結果(黒線)をほぼ再現できていました。モデル(予測)の大蛇行のほうがやや東に延びる形になっていますが先週に比べれば海洋速報との違いは小さくなっています。その後の短期予測(図2)でも

Fig2

図2 海洋速報」黒潮流軸(黒線)とJCOPE-T DA黒潮流軸(緑線)。2021年2月14日。左上の数字は予測開始日を示す。

同様でした。九州の南東沖にある小蛇行の動きはモデルのほうが下流側に移動する傾向がやや強いといえそうです。

長期予測

次に、長期予測(JCOPE2Mモデルの結果を紹介)

2021年3月18日までの黒潮「長期」予測(2021年1月13日発表)

2021年3月26日までの黒潮「長期」予測(2021年1月20日発表)

2021年3月30日までの黒潮「長期」予測(2021年1月27日発表)

におおよそ対応する結果の予測を見てみます(図3)。

図3 「海洋速報」黒潮流軸(黒線)とJCOPE2M黒潮流軸(色線)。左:2021年2月9日。右:2021年2月7日。左上の数字は予測開始日を示す。

黒潮大蛇行とその上流側の小蛇行をおおむね予測できていたといえます。上流側の小蛇行は「短期」予測と同様に下流側に移動する傾向が海洋速報より強めに出ています。1月19日予測開始の結果は大蛇行のふるまいが不安定で大蛇行の渦が切り離されていますが、それより後の予測開始日の結果になるにつれて大蛇行が安定するようになってきているようです。