2023年1月28日までの黒潮「短期」予測 (2023年1月11日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは 1月28日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年1月8日・1月16日・1月28日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。

黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。

月末までに蛇行は大きく変形すると予測しています(図3)。南端(A)では渦がちぎれそうになります。黒潮が北上する流路はS字カーブ(B)が大きくなります。

四国・足摺岬(D)に黒潮が近づいた後(図2)、またやや離岸する(図3)予測です。四国・室戸岬沖(E)では離岸しています。

図4は1月8日午前9時から1月28日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2023年1月8日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C)。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2023年1月16日午前9時の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2023年1月28日午前9時の予測値。

 


図4: 2023年1月8日午前9時から1月28日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。


今週のハイライト: 房総半島南端付近の黒潮

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図6は、房総半島沖の1月3日と10日の人工衛星「ひまわり」海面水温分布と予測モデルによる流れの図です。

水温の暖水と冷水の境目の位置と流速の分布から、黒潮は房総半島から一週間前よりも離れているようです。

Fig5

図5:1月3日午後2時の人工衛星「ひまわり」による海面水温観測(色)と流速のベクトル(①で指定)。水温の色の幅は10~23℃とした(②で指定)。

Fig6

図6:図5に同じ。ただし2023年1月10日。