2023年11月6日までの黒潮「短期」予測 (2023年10月18日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは 11月6日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年10月17日・10月27日・11月6日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。

A、B、Cと流れるS字カーブは今後強まる予測になっています(図1~3) 。黒潮大蛇行を大きく変えるほどではないですが、渦がちぎれそうになる可能性があります(図3)

四国付近(D)では、黒潮が足摺岬に近づいています(図5も参照) 。後に室戸岬に近づく予測です(図3) 。

冬に向けて全体的に次第に水温は下がってきます(図1~3) 。

図4は10月17日午前9時から11月6日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2023年10月17日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2023年10月27日午前9時の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2023年11月6日午前9時の予測値。

 


図4: 2023年10月17日午前9時から11月6日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中7で停止したりできます。

 


今週のハイライト: 四国付近の黒潮

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は10月17日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値とモデルによる流れの推定値です。

黒潮(高い水温)は四国・足摺岬に近づき、そこから室戸岬では離れています。高い水温と冷たい水温の境目は波打ったような形になっています。そのような特徴はモデル(図1)でも見られます。

Fig5

図5:10月17日午前10時の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値(色)とモデルによる流れの推測値(矢印)(①で指定)。色の幅は23から28℃に設定した(②で指定)。