2024年3月18日までの黒潮「長期」予測(2024年1月17日発表)

黒潮大蛇行が始まって6年6か月目となり、過去最長期間になっています。黒潮大蛇行は続きそうですが、渦がちぎれるなど不安定である可能性もあります。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは3月18日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2024年1月8日の状態の推測値、図2・3は2024年2月18日・3月18日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, A)2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が6年6か月目になっており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。黒潮大蛇行は当面続きます。その後、渦としてちぎれる可能性がありますが(図2~3) 、まだ先の予測なので不確実です。過去には渦がちぎれると予測されて、後に修正された場合があります。また、実際にちぎれて大蛇行がいったん終わった形になっても、その後に大蛇行が再開した場合もあります(「2020年の黒潮をアニメーションで振り返る」参照)。今回の予測も渦がちぎれてから、再び大蛇行が発達するような予測になっています(図3, C) 。

一時期、黒潮は八丈島に近づきますが(図2, B) 、八丈島の北を流れる流路が続きそうです。

黒潮が四国・足摺岬に近い状態から(図1, C) 、室戸岬に近づき離れ(C)、再び足摺岬に近づいた(図2, D)後、室戸岬に近づく(図3, D)と予測されています 。

図4は、2024年1月8日から3月18日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2024年1月8日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2024年2月18日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年3月18日の予測値。

 


図4: 2024年1月8日から2024年3月18日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。