高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは2月5日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した1月16日・1月26日・2月5日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
伊豆半島付近と房総半島付近では黒潮が近づいています(図1~2 B, C) 。Bから暖水が西に分岐しています(図1, 図5も参照) 。今後 、弱まりそうです(図2~3) 。伊豆半島や房総半島からはやや離れるかもしれません(図3)
四国付近(D)では、黒潮が足摺岬から室戸岬に近づいています(図1, 図5も参照) 。黒潮が近づく位置は東へと移動していくという予測です(図1~3) 。そのために黒潮大蛇行の形がいびつになる予測になっています。
図4は1月16日午前9時から2月5日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2024年1月16日午前9時から2月5日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 紀伊半島の黒潮
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は1月17日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値とモデルによる流れの推定値です。
ひまわり画像と流れの推定値から、暖水が四国と紀伊半島の間に伸びています。この暖水は紀伊半島の西側に近づきつづあります。紀伊半島の東側では、黒潮からの西向きの分岐流によって、暖水が近づいています。