2024年4月23日までの黒潮「長期」予測(2024年2月21日発表)

黒潮大蛇行が始まって6年7か月目となり、過去最長期間になっています。黒潮大蛇行は続きそうですが、渦がちぎれるなど不安定である可能性もあります。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは4月23日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2024年2月13日の状態の推測値、図2・3は2024年3月23日・4月23日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, A)2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が6年7か月目になっており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。黒潮大蛇行は当面続きます。その後、渦としてちぎれる可能性がありますが(図3) 、まだ先の予測なので不確実です。過去には渦がちぎれると予測されて、後に修正された場合があります。また、実際にちぎれて大蛇行がいったん終わった形になっても、その後に大蛇行が再開した場合もあります(「2020年の黒潮をアニメーションで振り返る」参照)。現在の予測では、ちぎれる渦が小さく(図3, A‘) 、大蛇行が残る可能性が高くなっています(図3, A) 。

一時期、八丈島の南を流れる流路になる可能性がありますが(図2, B) 、八丈島の北を流れる流路に戻ると予測しています(図3, B)

黒潮が四国に近い状態から(図1, C) 、離れ(C)、再び足摺岬に近づく(図3, D)と予測されています 。Cの部分は一時的に渦として離れる可能性があります(図4参照)。

図4は、2024年2月13日から3月23日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2024年2月13日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2024年3月23日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年4月23日の予測値。

 


図4: 2024年2月13日から2024年4月23日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。