| 黒潮大蛇行が始まって6年9か月目となり、過去最長期間になっています。黒潮大蛇行は小蛇行の影響でいびつな形になっていましたが、やがて通常の大蛇行に戻ると予測しています。その後に再び不安定になる可能性はあります。 |
高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは6月18日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。
予測
図1は2024年4月9日の状態の推測値、図2・3は2024年5月18日、6月18日の予測です。
黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, A, C) 。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が6年9か月目になっており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。黒潮大蛇行は当面続きます。九州東にあった小蛇行が下流に移動したため(図1, C) 、大蛇行が２つあるような形になっていました(A, C) 。Aの部分が切り離され、Cが大蛇行となることで落ち着き、大蛇行らしい流路になると予測になっています(図2) 。その後に大蛇行から渦がちぎれるなど、再び不安定になる可能性がありますが(図3) 、まだ先のことなので不確実です。
一時的に八丈島(●)の南を黒潮が流れる流路のようになっていますが、八丈島の北を流れる流路に戻ると予測しています(図2～3, B) 。
黒潮は四国から離れていますが(図1)、小蛇行(C)が大蛇行として落ち着いた後に、黒潮が四国に近づきそうです(図2～3, D) 。
図4は、2024年4月9日から6月18日までの予測をアニメーションにしたものです。
図1: 2024年4月9日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸(●)が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。
図2： 図1に同じ。ただし2024年5月18日の予測値。
図3： 図1に同じ。ただし2024年6月18日の予測値。
図4： 2024年4月9日から2024年6月18日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。
