高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは4月29日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した4月9日・4月19日・4月29日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
九州の東にあった小蛇行(D)が東に移動したことで、黒潮が四国から大きく離れています(図1, E) 。一部の暖水が四国沿岸に分岐しています。小蛇行の動きを受けて、黒潮蛇行はいびつな形になっています(図1~3, 図5も参照) 。小蛇行が東に移動した後は、黒潮が四国にやや近づくと予測されています(図1~3, E, F) 。
黒潮の流れがいびつなため、東海から関東沿岸では黒潮が近づいたり離れたり流れの変化が大きいことが予想されます(図1~3) 。
夏に向けて全体的に水温が上がっていきます。
図4は4月9日午前9時から4月29日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2024年4月9日午前9時から4月29日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: いびつな黒潮流路
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は4月10日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値です。
水温が最も高いところが黒潮だと考えられ、矢印付きの線を結んでいます。これを見ると、黒潮は波打った形をしています。典型的な黒潮大蛇行では、黒潮の南下は1つですが、今は2つあるような形をしています。黒潮は沿岸から離れていますが、複雑な形で沿岸に暖水が伸びている様子が見えます。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。