new2025年11月25日までの黒潮「短期」予測 (2025年11月5日発表)

  • JCOPE-T DAによる短期予測 (20日先)
  • JCOPE3Mによる長期予測 (2か月先)

を行っています。

ここでは11月25日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3は、JCOPE-T DAで計算した11月5日・11月15日・11月25日の黒潮の状態です。

気象庁と海上保安庁は、黒潮大蛇行が2025年4月に終息したとの判断を発表しています(2025年8月29日発表)。しかし黒潮大蛇行の余波は続いています(「2025年の黒潮のこれまでをふりかえる」参照)。黒潮からちぎれていた渦が吸収される形で、蛇行が発生しています(図1 A”)。

黒潮は八丈島の南を流れています(図1 A”)。

東海沖には、黒潮からの分岐流があります(C, 図5も参照)

四国から紀伊半島にかけて黒潮が近づいています(D)。

A”の蛇行が東に移動し、黒潮が八丈島に近づくと予測されています(図2~3)。

房総半島付近(B)では黒潮が離れる予測になっています(図2~3)。

黒潮は四国から紀伊半島に接岸が続きます(D)。九州東から、やや離れると予測されています(E)(図2~3)。

冬に向けて全体的に水温が下がっていきます(図1~3)。

図4は11月5日午前9時から11月25日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間ごとの図でアニメーションにしています。

Fig1
図1: 2025年11月5日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2025年11月15日午前9時の予測値。

 

Fig3
図3: 図1に同じ。ただし2025年11月25日午前9時の予測値。

 


図4: 2025年11月5日午前9時から11月25日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

今週のハイライト: 東海沖の黒潮

図5はJAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトで見た、人工衛星「ひまわり」で観測された11月3日の海面水温です。

東海沖で、黒潮からの分岐して北上する暖水があることがわかります(C)。黒潮が八丈島の南を流れていること(A”)、潮岬で接岸していることもわかります(D)。

Fig5
図5: 2025年11月3日のー日平均の人工衛星「ひまわり」観測の海面水温(色)(①で指定)(リンク)。水温の色の範囲を15~26度とした(②で指定)。

 

海洋予測に関してはJAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトで毎日更新されています。



JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。