現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路が大きく発達しています。黒潮が潮岬で離岸しています。房総半島で黒潮が大きく離れています。 黒潮流路は、7月に八丈島の北を流れる接岸流路的な状態に一時的になりますが、8月には再び離岸流路になると予測しています。沿岸では、離岸と接岸がしだいに大規模なものになりそうです。 |
現状
図1と図2はJCOPE2で計算した6月18日と6月24日の黒潮の状態です。黒潮が八丈島の南を流れ、離岸流路が続いています(図1,2)。
房総半島では、黒潮が大きく離れています(図2, 離岸傾向l, ※1)。
黒潮は、四国・足摺岬では接岸から(接岸傾向u)、離岸傾向(離岸傾向v)へ向かっています。室戸岬では離岸(離岸傾向t) から接岸(接岸傾向u)へと変化しつつあります(図1,2)。潮岬付近では接岸していましたが(接岸傾向s, 図1)、離岸へと変化しました(離岸傾向t, 図2)。今週の検証も参照してください。
東海沖では、暖水渦に巻き込まれる形で、黒潮の水が沿岸に入り込んでいます(図1,2)。
※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットk,l,,で図示しています。赤字k,m,,が接岸傾向で、青字l,p,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図3まで共通で(前号とも共通)、同じアルファベット、例えば接岸傾向sが、上流から下流に移動していることをしめしています。
予測
図3と図4は7月14日と8月25日の予測です。
黒潮流路は、接岸傾向sをきっかけに、八丈島の北を流れる接岸流路的な状況になると予測しています(図3)。しかし、これは一時的で、続く離岸傾向tをきっかけに、8月に再び離岸流路に戻るだろうと予測しています(図4)。
九州東岸から潮岬にかけては、離岸と接岸の規模はしだいに大きくなってきそうです(図3,4)。特に九州東岸では離岸傾向が大きく発達(小蛇行)すると予測しており、注目されます。
図5は6月18日から8月25日までの予測をアニメーションにしたものです。
図5: 6月18日から8月25日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。