2016年8月29日放送のNHKクローズアップ現代+ 「台風“異変” 迫る脅威」で、名古屋大学宇宙地球環境研究所の気象学研究室と海洋学研究室が、JCOPEのデータから作成した海水温の図が紹介されました。番組内容ダイジェスト(リンク)で、「さらに高い海水温度は、台風の勢力を保つ原因にもなりました。」の下にあるのが該当する図です。
この図は、水深50mにおける8月の海水温の平年(1993-2015年平均)からの差をしめしており、赤っぽい色が平年より温度が高いところです。北海道南東沖では、例年より7度以上も高い状態になっており、通過した台風の勢力を維持するのに働いたと考えられます。海面だけでなく水深50mの深いところにも暖水が広がっているということで冷やされにくいというのがポイントです。
名古屋大学と海洋研究開発機構の研究グループは、大気海洋結合シミュレーションを使って、台風をはじめとする気象現象と海洋のかかわりについて研究を進めており、わたしたちはJCOPEの海洋データを提供しています。
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番組名 | NHKクローズアップ現代+ 「台風“異変” 迫る脅威」 |
放送日時 | 2016年8月29日(月曜日)22:00~22:25 |
放送局 | NHK 総合 |
番組サイト | http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3854/index.html |