2016年11月14日から2017年1月19日の予測(11月18日発表)

黒潮は八丈島付近を流れています。房総半島で接岸していますが、離岸しつつあります。九州から紀伊半島にかけては小規模な離岸と接岸が繰り返されています。黒潮流路は八丈島付近を南北に移動しそうです。

現状

図1と図2はJCOPE2の改良版であるJCOPE2Mで計算した11月14日と11月18日の黒潮の状態です。

黒潮は八丈島付近を流れています。現在は接岸傾向e(※1)の接近により、やや北上しています(図1,2)。東から流れ込んでいた黒潮の支流(先週号)が取り残されるような形で東海沖に暖水が存在しています(図1,2)。

四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけては小規模な接岸と離岸の繰り返しになっています。

房総半島では、接岸傾向cの接近により接岸していましたが(図1)、離岸傾向dの接近により離岸しつつあります(図2)。

Fig1

図1: 観測値を取り入れて作成した11月14日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 11月18日の予測値。

 


予測

図3・図4・図5は11月25日・12月2日・2017年1月19日の予測です。

黒潮は、接岸傾向・離岸傾向の通過にともない、八丈島付近を南北に移動しそうです。その後、長期的には再び離岸が発達する可能性があります(図5)。

房総半島沿岸では、いったん離岸傾向dで離岸した後(図3)、接岸傾向eで再び接岸しそうです(図4)。

九州東岸から紀伊半島・潮岬にかけては、接岸とやや離岸の小刻みな繰り返しが続きそうです。

図6は11月14日から2017年1月19日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 11月25日の予測値。

Fig4

図4: 12月2日の予測値。

Fig5

図5: 2017年1月19日の予測値。図4から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図6: 11月14日から2017年1月19日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。


※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットで図示しています。赤字e,gが接岸傾向で、青字d,fが離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通です)、同じアルファベット、例えば離岸傾向dが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。