2017年2月16日から4月20日の予測(2月22日発表)

黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路ですが、八丈島に近づきつつあります。四国・足摺岬でやや離岸、室戸岬・紀伊半島で接岸しています。房総半島には東からまわりこむようにして黒潮から暖水が近づいています。黒潮流路は八丈島の北を流れる接岸流路にいったん戻った後、再び離岸流路が発達しそうです。九州東には小蛇行が発生する可能性があります。

JCOPE2の改良版であるJCOPE2M週2回の予測を行っています。ここでは2017年2月16日から4月20日の予測を解説します。

現状

図1と図2はJCOPE2Mで計算した2月16日と2月22日の黒潮の状態です。

黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です(図1,2)。接岸傾向m[1]の接近にともない、黒潮が八丈島に近づいています。今週号の検証も参照してください。

四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけては小規模な接岸と離岸の繰り返しになっています。現在は、足摺岬でやや離岸(離岸傾向p)、室戸岬・潮岬で接岸(接岸傾向o)になっています(図2)。

房総半島では黒潮が離れてる動きになっていますが(図2, 離岸傾向β)、東からまわりこむようにして、黒潮からの暖水が近づいています。

九州の南では、黒潮が大きく離岸しています(離岸傾向r)。

Fig1

図1: 観測値を取り入れて作成した2月16日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 2月22日の予測値。

 

予測

図3・図4・図5は3月1日・3月8日・4月20日の予測です。

八丈島の南を流れる離岸流路は、接岸傾向mが接近すると離岸が縮小し、八丈島の北を流れる接岸流路に一時戻りそうです(図3,4)。長期的は再び離岸流路が発達する可能性があります(図5)。

房総半島には黒潮が近づきそうです(接岸傾向m、図3,4)。

紀伊半島・潮岬にかけては、接岸とやや離岸の小刻みな繰り返しが続きそうです(図3,4)。

九州南から東岸にかけては、これから大きめの離岸(小蛇行)が発達する可能性があります(離岸傾向r、図3,4,5)。

図6は、2月16日から4月20日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 3月1日の予測値。

 

Fig4

図4: 3月8日の予測値。

 

Fig5

図5: 4月20日の予測値。図4から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図6: 2017年2月16日から4月20日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。
 

  1. [1]接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットで図示しています。赤字k,m,,が接岸傾向で、青字l,n,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通です)、同じアルファベット、例えば接岸傾向mが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。