現在、黒潮は非大蛇行離岸流路で八丈島付近を流れています。九州東方で小蛇行が発達し、四国の足摺岬に近づいています。 非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。小蛇行が黒潮下流に移動するにつれて、6月から7月にかけて、四国・足摺岬からから紀伊半島・潮岬まで離岸する時期があるでしょう。 |
現状
図1と図2はJCOPE2で計算した5月23日と5月29日の黒潮の状態です。現在黒潮は、八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路ですが、八丈島に黒潮が近づいているために東海沖に暖水が入り込みやすい状態にあります。
九州東では黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、下流に動き始めており、四国・足摺岬に近づいています(今回検証参照)。小蛇行の発達には東から近づいてきた反時計回りと時計回りの渦が関わっています(4月17日号解説参照)。
予測
図3と図4は6月15日と7月30日の予測です。
6月(図3)から7月にかけて(図4)黒潮小蛇行が下流に移動し、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで大きく離岸する可能性があります。現在のところ、小蛇行をきっかけとして黒潮大蛇行が発生する兆候はありません。黒潮が八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。ただし、中規模渦や小蛇行により流れが揺らされるために東海沿岸に暖水が流入しやすい時期があります。
図5: 5月23日から7月30日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。
JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。