現在、黒潮は非大蛇行離岸流路で八丈島付近を流れています。黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、四国の足摺岬付近を通過中です。 非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。小蛇行が黒潮下流に移動するにつれて、6月から7月にかけて、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで離岸する時期があるでしょう。 |
現状
図1と図2はJCOPE2で計算した5月30日と6月5日の黒潮の状態です。現在黒潮は、八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路ですが、八丈島に黒潮が近づいているために東海沖に暖水が入り込みやすい状態にあります。
九州東では黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、下流に動き始めており、四国・足摺岬付近を通過中です。黒潮本体は足摺岬から離岸していますが、九州東から足摺岬にかけて時計回りの渦による循環が残っているという分析になっています(図2)。小蛇行の発達には東から近づいてきた反時計回りと時計回りの渦が関わっています(4月17日号解説参照)。
予測
図3と図4は6月21日と8月6日の予測です。
6月(図3)から7月にかけて(図4)黒潮小蛇行が下流に移動し、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで黒潮が大きく離岸する可能性があります。現在のところ、小蛇行をきっかけとして黒潮大蛇行が発生する兆候はなく、小蛇行の通過後に黒潮は接岸します。黒潮が八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。ただし、中規模渦や小蛇行により流れが揺らされるために東海沿岸に暖水が流入しやすい時期があります。
図5は5月30日から8月6日までの予測をアニメーションにしたものです。
図5: 5月30日から8月6日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。