4月18日から5月23日の予測を検証します

毎月月末は過去1ヶ月の予測を検証する予定です。今回は4月24日号の4月18日から5月23日までの予測を検証します。

図1上段は4月18日から予測した5月23日の黒潮の状態です。予測では、黒潮小蛇行が九州東で発達し、下流に移動を始めるとしていました(図1上段)。予測よりも少々遅めですが、ほぼ予測通りに少蛇行の発達は進行しました(図1下段)。

図2は足摺岬沖の黒潮牧場13号ブイの表層で観測された流れです。2015年4月18日から5月24日までの1日毎の流速の大きさ(矢印の長さ)と流速の向き(矢印の向き)をしめしています。4月24日号で小蛇行発達前は足摺岬に黒潮が近づくと予測したとおりに、足摺岬で、2ノットに近い、流れが強い時期が続きました。先週あたりから流速が1ノット程度まで弱くなってきたのは、小蛇行が近づいて黒潮が足摺岬から離れつつあるからだと見られます。

JCOPEは、東海沖で黒潮が八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路が継続すると予測していました(図1上段)。これは実際もその通りでしたが、5月23日時点で、予測では八丈島の大きく南を流れると予測していたのに対し(図1上段)、実際には八丈島付近に近づいてますので(図1下段)、離岸の度合いは過大に予測していました。図3は3月21日から4月18日までの予測値(上段)と現実(下段)の比較をアニメーションにしたものです。4月17日号で解説したように、小蛇行の発達には東から近づいてきた反時計回りと時計回りの渦が関わっていると考えられるので、その動きにも注目して見て下さい。

今後は、1)小蛇行の下流への進行、2)JCOPEが予測しているように離岸流路が継続するか、が注目ポイントです。

 

20150529_ken1

図1: [上段]4月18日から予測した5月23日の予測値。[下段]観測値を取り入れて推測した5月23日の実際。

 

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図2: 黒潮牧場13号ブイで観測された2015年4月18日から5月28日までの1日毎の流速の大きさ(矢印の長さ)と流速の向き(矢印の向き)。流れの大きさの単位はノット。データは高知県漁海況情報システムから入手した。図中の地図の赤星印がブイの位置。黒潮牧場ブイのデータは2月13日号3月6日号4月24日号でも分析しています。

 

図3: 2015年4月18日から5月23日までの予測(上段)と実際(下段)の比較のアニメーション。ク リックして操作して下さい。途中で停止することもできます。