東北マリンサイエンス拠点形成事業「海洋生態系の調査研究」- TEAMS

トピックス
「みらい」調査航海日報(MR12-E02 Leg3)
2012.05.30 トピックス
船舶名
海洋地球研究船「みらい」
航海ID
MR12-E02 Leg3
期間
2012年3月23日~2012年3月30日
首席研究員
野牧 秀隆(海洋研究開発機構)

3 March

2012

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調査航海日報
5日目

平成24年 3月27日(火)

今日も快晴の中、金華山沖(水深840m、堆積物採取)と仙台沖(水深880m、1030m、1290mの3か所で海水採取、堆積物採取は880mのみ)で調査を実施した。 今日は Leg3の5日目。調査航海は残り3日となった。これまで天候にも恵まれ、2日目が風雪だったものの、荒天による調査中止はなかった。残りの航海も順調に進んでほしいものである。 昨日 採取できなかった金華山沖の堆積物は本日朝にもう一度採泥を行い、無事採取することができた。
今回の航海では船上で堆積物に含まれる水分(間隙水という)の栄養塩、pHとアルカリ度などを分析している。 これら の分析でゴカイのような海の底生生物に地震や津波によって何らかの影響を与えているかどうかが解析でき、またバクテリア類が増えるような条件が見つかれば、 沈んだ 木材などのがれきの分解が促進されることも予想できる。並行して行われているCTD観測で採取した海水についても同じように栄養塩の分析が行われている。 海水の 栄養塩は植物プランクトンの栄養となる物質なので、栄養塩の量の変化を知ることで生態系の生産活動に影響を与えているかどうかを解析することができる。
今回の巨大地震が海洋や地球に与えた影響が生態系にどのような形で現れるのかを知るために、まずこれらのデータを集めることが重要なのだ。
( by H.M )

  • 金華山沖(水温3.8℃、水深320m)での調査の様子、水温が低いので親潮系の海域だと思われる。親潮が青白く見えるのは、小さな生物や排出物などの粒上の物質が光を散乱させるため。

    金華山沖(水温3.8℃、水深320m)での調査の様子、水温が低いので親潮系の海域だと思われる。親潮が青白く見えるのは、小さな生物や排出物などの粒上の物質が光を散乱させるため。

  • 仙台沖(水温11.6℃、水深880m)での調査の様子、水温が高いので黒潮系の海域だと思われる。黒潮は生物量が少なく光を吸収するため黒く見える。

    仙台沖(水温11.6℃、水深880m)での調査の様子、水温が高いので黒潮系の海域だと思われる。黒潮は生物量が少なく光を吸収するため黒く見える。

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