平成24年 3月27日(火)
今日も快晴の中、金華山沖(水深840m、堆積物採取)と仙台沖(水深880m、1030m、1290mの3か所で海水採取、堆積物採取は880mのみ)で調査を実施した。
今日は
Leg3の5日目。調査航海は残り3日となった。これまで天候にも恵まれ、2日目が風雪だったものの、荒天による調査中止はなかった。残りの航海も順調に進んでほしいものである。
昨日
採取できなかった金華山沖の堆積物は本日朝にもう一度採泥を行い、無事採取することができた。
今回の航海では船上で堆積物に含まれる水分(間隙水という)の栄養塩、pHとアルカリ度などを分析している。
これら
の分析でゴカイのような海の底生生物に地震や津波によって何らかの影響を与えているかどうかが解析でき、またバクテリア類が増えるような条件が見つかれば、
沈んだ
木材などのがれきの分解が促進されることも予想できる。並行して行われているCTD観測で採取した海水についても同じように栄養塩の分析が行われている。
海水の
栄養塩は植物プランクトンの栄養となる物質なので、栄養塩の量の変化を知ることで生態系の生産活動に影響を与えているかどうかを解析することができる。
今回の巨大地震が海洋や地球に与えた影響が生態系にどのような形で現れるのかを知るために、まずこれらのデータを集めることが重要なのだ。
( by H.M )
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