東北マリンサイエンス拠点形成事業「海洋生態系の調査研究」- TEAMS

トピックス
「みらい」調査航海日報(MR12-E02 Leg3)
2012.05.30 トピックス
船舶名
海洋地球研究船「みらい」
航海ID
MR12-E02 Leg3
期間
2012年3月23日~2012年3月30日
首席研究員
野牧 秀隆(海洋研究開発機構)

3 March

2012

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調査航海日報
7日目

平成24年 3月29日(木)

昨日で海底の調査は終了し、穏やかな晴天の中、仙台湾を離れ横浜港に向かって回航している。しかし、その間もマルチナロービーム測深機での海底地形調査は継続している。 MR12-E02航海の 最初のころは3月とは思えない寒さの中での始まりだったが、横浜に着く頃には初夏のような陽気なのかもしれない。八戸で乗船した時の服では暑いのだろう。
採取した試料を保管状態良く横須賀の研究室まで運搬する必要があるので、船内ではその試料整理が行われている。また、ラボの片づけ、Cruise Report作成などの下船準備も着々と進められているが、一方で引き続きコアや海水の分析作業も続けられている。
堆積物の試料はなまものなので、温度管理や湿度管理が重要になる。それでも変質は避けられないため、船上ではコア写真やソフトX線写真による画像での記録も行なわれる。
堆積物は一見、一様に茶色く見える。しかし、その茶色にも微妙な違いがある。それをコア写真によって記録するのだ。泥が乾燥によってうすい茶色になるのは身近でも見られるので、 写真の 記録の重要性は良くわかるだろう。
また、堆積物は硬さの異なる物質が積み重なっている。これを乾燥で変化する前に記録するのがソフトX線写真撮影だ。堆積物を半割すると表面上は一様に茶色にしか見えなくても、 ソフトX線 写真を撮ってみると、密度の異なる物質が層状に積み重なっていることがわかる。今回の地震、津波で引き起こされたであろう、乱泥流堆積物などの痕跡も、地点によっては残されていると思われるし、 クモヒトデ やゴカイなどの生物が堆積物をかき乱すことで、層状になっていないことも考えられる。こういった海底の堆積物の環境の変化は、そこに生息する生態系全体にも影響を与えるので、生物の調査をする上でも、 堆積物や 、化学環境の調査が必須になる。
( by H.M )

  • 写真撮影されるコア、色見本と見比べられるようになっている

    写真撮影されるコア、色見本と見比べられるようになっている

  • 堆積物を板状にして容器に並べソフトX線装置にセットする<br /> ソフトX線写真はレントゲンと同じ原理で、骨のように固いものは写真では白く写る

    堆積物を板状にして容器に並べソフトX線装置にセットする<br /> ソフトX線写真はレントゲンと同じ原理で、骨のように固いものは写真では白く写る

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