2016年の黒潮をアニメーションで振り返る

今回は昨年2016年の黒潮の変化をアニメーションで振り返ってみます。昨年の出来事については、2016年12月21日号解説「2016年の5大ニュース」も参考にしてください。

1つめの動画は、黒潮予測でおなじみの図を、1年間まとめたものです。2016年は、1月に八丈島の南を流れる離岸流路で始まった後、2月始めごろから八丈島の北を流れる接岸流路になりました。4月中頃から大きく離岸流路が発達しています。8月にいったん接岸流路になった後、10月ごろからは八丈島付近を黒潮が南北に移動しました。12月末(※1)に八丈島の北を流れる接岸流路になっています(今週号の黒潮現状・予測参照)


図1: 2016年1月1日から12月31日までの黒潮のアニメーション。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。赤丸が八丈島の位置。JCOPE2(※2)で計算した海面高度(色)と海面流速の再解析値(観測をとりこんで現実に近いと考えられる推測値)から作成。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。


2つめの動画では、視点を回転させていろいろな角度から黒潮を見ています(※3, ※4)。線で流速を、色で水温を見せています。水温は色を薄くして、海底地形も見えるようにしています。海面では大気の影響による水温の変化が大きいので、海流による変化がわかりやすい深さ200mでの水温を使ってます。流速も深さ200mのものです。黒潮より沿岸寄りでは水が冷たいことや、離岸流路と接岸流路でそれぞれ通りやすい海底地形があることに注目しながら見てみてください(2016/12/6号の解説参照)。


図2: 2016年1月1日から12月31日までの黒潮のアニメーション。線は水深200メートルの流れ(メートル毎秒)、色は水深200mの水温(℃)。水温の色は薄くして海底地形が見えるようにしている。図の見方は注釈※4を参照。JCOPE2(※2)で計算した海面高度(色)と海面流速の再解析値(観測をとりこんで現実に近いと考えられる推測値)から作成。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。

 


※1
海上保安庁は2016年12月30日頃に八丈島の北側を流れる流路になったと判断しています。「本州南方の黒潮流路について」(海上保安庁 2017/1/4)

※2
予測に使うモデルはJCOPE2からJCOPE2Mに10月から変更になっていますが、1年間のデータを同じモデルでそろえるため、ここではJCOPE2のモデルを使っています。

※3
Collaborative Ocean Visualization Environment (COVE)というソフトを使っています。

※4
2番目のアニメーションの見方の解説図。
Fig1

 


美山 透

海の変化は、漁業海運エネルギー天候など様々なことに影響します。海洋予測がもっと身近なものになるように、頭をしぼって書いています。