| 黒潮が八丈島に近づいています。次第に黒潮は八丈島の北を通るようになり、接岸流路になりそうです。 |
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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
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- JCOPE3Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは来年2月27日までのJCOPE3Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮の蛇行の予測がテーマです。
予測
図1は2025年12月27日の状態の推測値、図2・3は来年1月27日、2月27日の予測です。
黒潮は八丈島の近くを流れています(A 図1, 図6も参照)。
黒潮は次第に八丈島の北を流れ、接岸流路になると予測しています(図2~3)。
今後の予測のもう一つの注目点は、冷水渦Lです。この渦は西に移動すると予測しています(図1~3)。冷水渦Lがこのまま西に進んで九州南東の黒潮に近づくと、小蛇行を引き出し(図3 C)、黒潮の流れが変化するきっかけになる可能性があります。
図4は、2025年12月27日から2026年2月27日までの予測をアニメーションにしたものです。



図4: 2025年12月27日から2026年2月27日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。
観測で見る黒潮流路
黒潮大蛇行の特徴の一つは、黒潮が潮岬で離れていることです。黒潮が潮岬で離れているかを観測で見る良い方法として、串本と浦神の潮位差を見るという方法が知られています(「潮岬への黒潮接岸判定法は?: 串本・浦神の潮位差」参照)。黒潮が紀伊半島に近づくと潮位差は大きくなり、黒潮が紀伊半島から離れると潮位差は小さくなります。現在、潮位差が比較的大きく、黒潮が接岸している証拠です。予測通りであれば、このまま高い値が続きます。
八丈島の南を黒潮が通ると、八丈島の潮位が下がることが知られています(「黒潮が八丈島の南を流れているのをどうやって観測で確認するの?」参照)。先週の予測通り、潮位は一時的に下降した後、上昇しています。


参考: アンサンブル予測
JCOPEでは、上記の予測の他に、予測初期での条件を変えて予測がどれくらいの幅で変わるかという予測実験も行っています(JCOPE3Fによるアンサンブル予測)。下の参考図は2026年2月27日の黒潮の予測です。全24の予測をおこなっています。黒潮が八丈島の北を流れる接岸流路が予測の大多数です。図1~3で注目している冷水渦Lの動きは予測により様々で、不確実性が大きいです。

JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。
2026年2月27日までの黒潮「長期」予測(2025年12月31日発表)