2017年1月27日から3月30日の予測(2月1日発表)

黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です。四国・足摺岬と紀伊半島・潮岬でほぼ接岸、室戸岬でやや離岸しています。房総半島に黒潮が接岸しています。黒潮流路は離岸流路が一時続いた後、八丈島の北を流れる接岸流路に戻りそうです。

JCOPE2の改良版であるJCOPE2Mは週2回の予測を行っています(解説参照)。ここでは2017年1月27日から3月30日の予測を解説します。

現状

図1と図2はJCOPE2Mで計算した1月27日と2月1日の黒潮の状態です。

黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です(図1,2、離岸傾向l[1])。

四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけては小規模な接岸と離岸の繰り返しになっています。現在は、室戸岬でやや離岸(図2、離岸傾向n)、足摺岬、潮岬でほぼ接岸になっています(図2)。

房総半島では黒潮が接岸しています(図2、接岸傾向k)。

Fig1

図1: 観測値を取り入れて作成した1月27日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 2月1日の予測値。

 

予測

図3・図4・図5は2月8日・2月15日・3月30日の予測です。

現在の離岸傾向lによる八丈島を南を流れる離岸流路はしばらく続きますが(図3)、離岸傾向lが通過し接岸傾向mが接近すると離岸は縮小し(図4)、八丈島の北を流れる接岸流路に戻りそうです。長期的は再び離岸流路が発達する可能性があります(図5)。

房総半島への黒潮の接岸はしばらく続きそうですが(接岸傾向k)、次第に離れていきそうです(離岸傾向l) (図3,4)。

九州東岸から紀伊半島・潮岬にかけては、接岸とやや離岸の小刻みな繰り返しが続きそうです(図3,4)。ただし、3月には九州東部に大きめの離岸(小蛇行)が発達する可能性があります(図5)。

図6は1月27日から3月30日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 2月8日の予測値。

 

Fig4

図4: 2月15日の予測値。

 

Fig5

図5: 3月30日の予測値。図4から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図6: 1月27日から年3月30日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。




JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。
 

  1. [1]接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットで図示しています。赤字k,m,,が接岸傾向で、青字j,l,,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通です)、同じアルファベット、例えば離岸傾向jが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。