2月21日から3月21日の予測を検証します

毎月月末は過去1ヶ月の予測を検証する予定です。今回は2月27日号の1月21日から3月21日までの予測を検証します。

図1上段は2月21日から予測した3月6日の黒潮の状態です。黒潮小蛇行が東に進むことで生じた反時計回りの循環が伊豆諸島に近づくと予測していました。この反時計回りの予測は実際の動きに近いものでした(図1下段)。ただし、反時計回りの循環の影響により、伊豆諸島沿いに強く北向きの流れが実際には生じていたのに対し(図1下段)、予測では反時計回り循環の規模が小さく、伊豆諸島沿いの流れを過小評価していました(図1上段)。

図2上段は2月21日から予測した3月21日の黒潮の状態です。黒潮は離岸流路が再発達すると予測していました。これは実際の黒潮(図2下段)を非常によく予測していました(3月20日号参照)。図6で伊豆諸島沿いの北向きの流れを過小評価していたため、現状で述べたような東海沖での西向きの黒潮の進入(図2下段)を、予測では過小評価していました。その後の予測図を見ると(例えば3月20日号)、この東海沖での黒潮の進入を予測できていましたが、注目はできていませんでした。九州東岸での接岸は予測では過大だった一方、四国・室戸岬(3月6日号解説参照)や、紀伊半島・潮岬での黒潮の岸への接近をよく予測できていました。

図1は2月21日から3月21日までの予測値(上段)と現実(下段)の比較をアニメーションにしたものです。

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図1: [上段]2月21日から予測した3月6日の予測値。[下段]観測値を取り入れて推測した3月6日の実際。

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図2: [上段]2月21日から予測した3月21日の予測値。[下段]観測値を取り入れて推測した3月21日の実際。


図3: 2015年2月21日から3月21日までの予測(上段)と実際(下段)の比較のアニメーション。ク リックして操作して下さい。途中で停止することもできます。