2023年3月24日までの黒潮「長期」予測(2023年1月19日発表)

黒潮大蛇行が始まって 5年目6か月目になり、過去最長期間になっています。大蛇行から渦がちぎれる可能性があります。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは3月24日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2023年1月13日の状態の推測値、図2・3は2月24日・3月24日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, C)。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は今月で期間が5年6か月目になっており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」)。

大蛇行の南端から渦が大きくちぎれ、大蛇行が消える予測になっています(図3, C’)。まだ先の予測なので、実際に渦がちぎれるか、ちぎれてもどのような規模になるかは不確実です。2022年は渦がちぎれて、いったん大蛇行が消えた形になりましたが、その後に再開しました(2020年の黒潮をアニメーションで振り返る)。2022年も渦がちぎれましたが、黒潮大蛇行は継続しました(2022年の黒潮をアニメーションで振り返る)。

八丈島()の北を通過する黒潮流路(B)が続く見込みです(図1~3)。

四国・足摺岬(A)に接岸する予測になっています(図2~3)。九州東岸では離れる流路になると予測しています(図2~3)。

図4は、2023年1月13日から3月24日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2023年1月13日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2023年2月24日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2023年3月24日の予測値。

 


図4: 2023年1月13日から3月24日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。