高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは 9月11日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年8月22日・9月1日・9月11日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
A、B、Cと流れるS字カーブの蛇行はほぼ同じ強度が維持される予測です。
四国付近(D)では、黒潮が足摺岬に近づいています(図1) 。今後離れる予測になっています(図3) 。
伊豆半島や房総半島には黒潮が近づき、水温が上昇しそうです(B-C) 。
台風7号通過の影響で水温の低下が見られますが(図1, 図5・6も参照)、その後は高い水温が回復します(図2,3) 。
図4は8月22日午前9時から9月11日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

図1: 2023年8月22日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸(●)が八丈島の位置。クリックすると拡大します。
図4: 2023年8月22日午前9時から9月11日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 台風による水温低下
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は8月21日のモデルによる海面水温の推定値です。台風6号(赤線)と台風7号(青線)の通過した所で水温の低下が見られます。
図6は同時刻の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値です。同様の水温低下が見られます。