2023年11月24日までの黒潮「長期」予測(2023年9月20日発表)

黒潮大蛇行が始まって6年2か月目となり、過去最長期間になっています。まだ黒潮蛇行は続くと予測していますが、大蛇行から渦がちぎれる可能性もあります。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは11月23日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2023年9月14日の状態の推測値、図2・3は10月23日・11月23日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, A)2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が6年2か月目になっており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。

大蛇行が渦がちぎれそうな予測になっていますが、先週の予測に比べると完全にちぎれる予測ではなくなっています(図3) 。まだ先の予測であり、予測に不確実性があります。過去に大蛇行から渦がちぎれると予測したときは2020年の時のように実際にちぎれた場合もありますし(「2020年の黒潮をアニメーションで振り返る」) 、予測がはずれた場合もあります。2020年の場合は渦がちぎれましたが、渦が再び黒潮にくっつき大蛇行が再開しました。今回の場合も仮に渦がちぎれても大蛇行が終わるとは限りません。

八丈島の北を流れる流路が続くと予測しています(図1~3, B) 。

四国・足摺岬に(C)に接岸した後(図1) 、次に室戸岬に近づき(図2) 、その後は離れる予測です(図3) 。

図4は、2023年9月14日から11月23日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2023年9月14日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig3

図2: 図1に同じ。ただし2023年10月23日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2023年11月23日の予測値。

 


図4: 2023年9月14日から11月23日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。