2024年12月2日までの黒潮「短期」予測 (2024年11月13日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは12月2日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した11月12日・11月12日・12月2日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。

ABCと蛇行する流れから、B地点で西向きに分岐する暖水は弱まると予測されています。

足摺岬に近かった黒潮は(図1D) 、室戸岬に近づきつつ、四国から離れつつあるようです(図2~3)。

図4は11月12日午前9時から12月2日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2024年11月12日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2024年11月22日。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年12月2日午前9時の予測値。

 


図4: 2024年11月12日午前9時から12月2日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

今週のハイライト: まだまだ続く黒潮大蛇行

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は人工衛星「ひまわり」で観測された11月13日の海面水温と、モデルによる流れの推定値です。

黒潮大蛇行が2017年8月に始まってから、今月で7年4か月目になりますが、海面水温からも明らかなように、水温の高い黒潮は紀伊半島から離れ、大蛇行が続いています。

千葉沿岸からいったん本州から離れた黒潮は、東北地方の海まで北上しており、こちらも大きく蛇行しているのも、今後が気になるところです。

Fig5

図5:11月13日午前3時の人工衛星観測「ひまわり」観測海面水温(色)。色の幅は22から28℃に設定した。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。