- JCOPE-T DAによる短期予測 (20日先)
- JCOPE3Mによる長期予測 (2か月先)
を行っています。
ここでは12月2日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3は、JCOPE-T DAで計算した11月12日・11月22日・12月2日の黒潮の状態です。
気象庁と海上保安庁は、黒潮大蛇行が2025年4月に終息したとの判断を発表していました(2025年8月29日発表)。その後も、黒潮大蛇行の余波は続き(「2025年の黒潮のこれまでをふりかえる」参照)、黒潮からちぎれていた渦が吸収される形で蛇行が発生していました(図1 A”)。その蛇行は流れ去ろうとしています。蛇行のために房総半島で黒潮が離れています。
黒潮は八丈島の北を流れています(C)。
紀伊半島の東で、黒潮から暖かい分岐流が北にのびています(D)。
潮岬(E)、室戸岬(F)、足摺岬(G)で接岸しています。
今後、A”の蛇行が東に移動し、消える予測です(図2~3)。房総半島付近では黒潮が今より近づきます(図2~3)。
黒潮からの分岐流(D)は暖水渦としてちぎれ(図2)、その後に冷えていく予測です(図3)。
潮岬(E)、室戸岬(F)で接岸が続き、足摺岬(G)・九州東(H)ではやや離岸するという予測になっています(図2~3)。
冬に向けて全体的に水温が下がっていきます(図1~3)。
図4は11月19日午前9時から12月9日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間ごとの図でアニメーションにしています。



図4: 2025年11月19日午前9時から12月9日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 九州・沖縄付近の海面水温
図5はJAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトで見た、人工衛星「ひまわり」で観測された去年11月14日(左)と今年11月14日(右)の海面水温です。
今年の海面水温は平年より高いですが(最近の海洋熱波・寒波(2025/11)参照)、それでも去年よりは水温が低くなっています。
沖縄の海洋研究開発機構・国際海洋環境情報センター(GODAC)では、2025年11月22日(土)に一般公開が開催されます。筆者も参加し、海中天気予報についてJAXAの研究者と対談します。ご家族・ご友人お誘いあわせのうえ、ご参加ください。

海洋予測に関してはJAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトで毎日更新されています。
JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。
2025年12月9日までの黒潮「短期」予測 (2025年11月19日発表)