1月16日から3月24日の予測(1月22日発表)

現在、黒潮は八丈島に近づいています。房総半島から黒潮が離れつつあります。九州から紀伊半島にかけては、四国・室戸岬付近を除き、離岸傾向です。
今後は、黒潮流路の接岸・離岸の変動が大きくなりそうです。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した1月16日と1月22日の黒潮の状態です。黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路になっています(離岸傾向b(※1)、図1)。離岸傾向bが東に移動したので、離岸はやや小さくなり、黒潮が八丈島に近づいています(図2)。離岸傾向b接岸傾向cの間にもう一組接岸・離岸の波(図2、接岸傾向1離岸傾向2)があるようです。

東海沿岸へは南から暖水が流入しやすくなっています(図1、接岸傾向c)が、先週よりは弱まっているようです(図2)。

房総半島では、接岸傾向aの下流への移動にともない、黒潮が岸から離れつつあります(図1,2)。

九州南東では離岸傾向fのため、黒潮が大きく離岸しています(図1)。離岸傾向fの下流への移動にともない、四国・足摺岬でも離岸しつつあります(図2)。四国・室戸岬では接岸(接岸傾向e)、紀伊半島・潮岬ではやや離岸です(離岸傾向d)(図2)。

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットa,b,c,d,,,で図示しています。赤字a,c,,,が接岸傾向で、青字b,d,,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通)、同じアルファベット、例えば接岸傾向eが、上流から下流に移動していることをしめしています。

Fig1

図1: 1月16日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 1月22日の予測値。


予測

図3と図4は2月3日と3月24日の予測です。

今後、接岸・離岸の変動が大きくなり、その変動が黒潮の下流に移動すると予測しています(図3,4)。接岸傾向cの発達により、いったん黒潮は八丈島の北を流れる接岸流路になりそうです(図3)。その後、離岸傾向d接岸傾向e離岸傾向f(図4)と、黒潮の流路は大きく振れそうです。

図5は1月16日から3月24日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 2月3日の予測値。

 

Fig4

図4: 3月24日の予測値。


図5: 1月16日から3月24日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。