3月5日から5月12日の予測(3月11日発表)

現在、黒潮は八丈島の北を流れる接岸流路です。房総半島に黒潮が近づきつつあります。
伊豆諸島付近での接岸・離岸の変動は引き続き大きいでしょう。3月には八丈島の南を流れる離岸流路が発達すると予測しています。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した3月5日と3月11日の黒潮の状態です。接岸傾向eの伊豆諸島接近により、黒潮が八丈島の北を流れる接岸流路になっています(図1, 2)。離岸傾向fにより、黒潮が八丈島に近づきつつあるとみられます(図2)。

房総半島では、離岸傾向dにより黒潮が離岸していましたが(図1)、接岸傾向eの下流への移動により黒潮が近づきつつあります(図2)。

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットd,e,,で図示しています。赤字e,g,が接岸傾向で、青字d,f,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通)、同じアルファベット、例えば離岸傾向fが、上流から下流に移動していることをしめしています。

図1: 3月5日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 3月12日の予測値。


予測

図3と図4は3月20日と5月12日の予測です。

接岸・離岸の変動が大きく、その変動が黒潮の下流に移動すると予測しています(図2,3)。接岸傾向e(図2)、離岸傾向f(図3)と、黒潮の流路は大きく振れそうです。特に大きい離岸傾向f(小蛇行)をきっかけとして、3月中頃から黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が発達し(図3)、継続すると予測しています。一方、5月中旬頃から、離岸は弱まる可能性があります(図4)。

現在のところ、離岸傾向hは小さめだと予測しています。四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけて、小刻みな接岸と離岸が繰り返されるでしょう。続く離岸傾向jは大きめで、3月後半から5月にかけて九州東岸から紀伊半島・潮岬を移動し(図3,4)、離岸を引き起こす可能性があり、次の注目点です。

図5は3月5日から5月12日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 3月20日の予測値。

 

図4: 5月12日の予測値。


図5: 3月5日から5月12日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。

 



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