6月4日から8月11日の予測(6月10日発表)

現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路が大きく発達しています。黒潮が潮岬で接岸しています。房総半島で黒潮が離れつつあります。
黒潮流路は、八丈島の南を流れる離岸流路が当分続くと予測していますが、7月から8月にかけて接岸流路に変化する可能性があります。沿岸では、離岸と接岸がしだいに大規模なものになりそうです。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した6月4日と6月10日の黒潮の状態です。黒潮が八丈島の南を流れ、離岸流路が続いています(図1,2)。

房総半島では、黒潮がしだいに離れつつあります(図2, 離岸傾向l, ※1)。

黒潮は、四国・足摺岬では離岸から(離岸傾向t)、接岸傾向へ(接岸傾向u)、室戸岬では接岸から(接岸傾向s)、離岸傾向(離岸傾向t) へ変化しています(図1,2)。潮岬付近では接岸しています(接岸傾向s, 図1,2)

Fig1

図1: 6月4日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

Fig2

図2: 6月10日の予測値。

 

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットj,k,,で図示しています。赤字k,m,,が接岸傾向で、青字j,l,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図3まで共通で(前号とも共通)、同じアルファベット、例えば離岸傾向rが、上流から下流に移動していることをしめしています。

予測

図3と図4は6月19日と8月11日の予測です。

八丈島の南を流れる黒潮の離岸流路が当面続くと予測しています(図3)が、7月から8月にかけて黒潮が八丈島の北を流れる接岸流路に変化する可能性があります(図4)。

房総半島では黒潮が離岸するでしょう(図3)。九州東岸から潮岬にかけては、小刻みな離岸と接岸が続いていましたが、離岸と接岸の規模はしだいに大きくなってきそうです(図3,4)。

図5は6月4日から8月11日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 6月19日の予測値。

Fig4

図4: 8月11日の予測値。図3から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図5: 6月5日から8月11日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。