2015/05/16~07/23の予測(5/22 発表)

現在、黒潮が八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路が大きく発達しています。四国の足摺岬、紀伊半島の潮岬では黒潮が岸の近くを流れています。四国・室戸岬ではやや離岸しています。
非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。四国・室戸岬や和歌山・潮岬では接岸と離岸を繰り返すでしょう。九州南東部で小蛇行が発達しつつあり、5月中旬から7月にかけて九州東岸から紀伊半島・潮岬まで大きく離岸する可能性があります。
現状

図1と図2はJCOPE2で計算した5月16日と5月22日の黒潮の状態です。現在黒潮は、八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路が大きく発達しています。
紀伊半島・潮岬、四国・足摺岬では黒潮が岸に近づいています。四国の室戸岬はやや離岸しています。九州南東では黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、下流に動き始めています。小蛇行の発達には東から近づいてきた反時計回りと時計回りの渦が関わっています(4月17日号解説参照)。

20150522_Fig1

図1: 5月16日の推測値。矢印は流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いと言うおおまかな関係があります。

 

20150522_Fig2

図2: 5月22日の予測値。

予測

図3と図4は6月2日と7月23日の予測です。
黒潮の沖側に中規模な渦があらわれ下流に流されるため、その影響で、四国の室戸岬・紀伊半島は接岸とやや離岸する時期があります(図3)。
6月(図3)から7月にかけて(図4)黒潮小蛇行が下流に移動し、九州東岸から紀伊半島・潮岬まで大きく離岸する可能性があります。現在のところ、小蛇行をきっかけとして黒潮大蛇行が発生する兆候はありません。黒潮が八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。ただし、中規模渦や小蛇行により流れが揺らされるために東海沿岸に暖水が流入しやすい時期があります。

図5は5月16日から7月23日までの予測をアニメーションにしたものです。

 

20150522_Fig3

図3: 6月2日の予測値。

 

20150522_Fig4

図4: 7月23日の予測値。

 

図5: 5月16日から7月23日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。

 


JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。

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