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研究者コラム

[続報]予測通りにエルニーニョ現象と正のインド洋ダイポールモード現象が同時発生!異常気象に要警戒

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付加価値情報創生部門 アプリケーションラボ

アプリケーションラボでは昨年の11月の時点で、3年連続で続いたラニーニャ現象が昨年の冬の終わりごろに衰退し、今年の夏にはエルニーニョ現象が現れることを予測していました(2022年11月21日既報)。実際に、5月頃からエルニーニョ現象が発生し、現在も発達中です。また、4月の時点で、今年の夏から秋にかけて、正のインド洋ダイポールモード現象も発生することを予測していました(2023年4月13日既報)。発生のタイミングは予測よりも遅れたものの、今月になって、正のインド洋ダイポールモード現象が発達し始めたことが最新の観測データから確認されました(注1)。エルニーニョ現象と正のインド洋ダイポールモード現象の同時発生は、2015年のイベント以来8年振りです。最新の予測によると、この両現象の同時発生は、秋の間は持続しそうです(図1)。
エルニーニョ現象もインド洋ダイポールモード現象も、日本を含め世界各地に異常気象を引き起こします。特に、インドネシアやオーストラリアの乾燥傾向は、この同時発生の影響を受け、極端化するかもしれませんので、これらの地域では山火事などに警戒が必要です。

エルニーニョ・ラニーニャ現象やインド洋ダイポールモード現象がどのような現象で、その発生をどのように予測するのかについては、2023年4月13日既報をご覧ください。

図1: SINTEX-F季節予測システムで、2023年8月1日時点に予測した2023年9月から11月の3ヶ月で平均した海面水温(ºC)について、同月の平年値(1991-2020年平均)からの差を図示したもの。熱帯太平洋の東部から中央部にかけて海水温が平年より高いことから、エルニーニョ現象が継続することが見て取れる。また、熱帯インド洋の西部で海面水温が平年より高く、東部で低いことから、正のインド洋ダイポールモード現象が継続することが見て取れる。最新情報は、SINTEX-FのHP季節ウォッチAPL Virtualearthなどから確認できる。

注1:米国NOAAのインド洋ダイポールモード指数海面水温の分布、米国NASAの海面高度などのサイトから確認できます。

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