2015/06/20~08/27の予測(6/26発表)

現在、黒潮は非大蛇行離岸流路で八丈島付近を流れています。黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、四国の室戸岬付近を通過中とみられます。
変動が大きいですが、非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。小蛇行が黒潮下流に移動するにつれて、7月までに、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで離岸する時期があり、その後接岸するでしょう。
現状

図1と図2はJCOPE2で計算した6月20日と6月26日の黒潮の状態です。現在黒潮は、八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路ですが2015年6月12日号で解説前回予測したとおり、再び八丈島に近づいています(図1,2)。

黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、黒潮下流へと足摺岬から(図1)、四国・室戸岬付近を通過しており(図2)、九州東岸から四国・室戸岬まで黒潮が離岸しています。

Fig1

図1: 6月20日の推測値。矢印は流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いと言うおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 6月26日の予測値。

 

予測

図3と図4は7月3日と8月27日の予測です。

6月から7月(図3)にかけて黒潮小蛇行が下流に移動し、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで順に黒潮が大きく離岸する可能性があります。現在のところ、小蛇行をきっかけとして黒潮大蛇行が発生する兆候はなく、小蛇行の通過後に黒潮は接岸します(図3,図4)。6月末から7月初頭にかけて黒潮が足摺岬に接岸し(図3)、豊後水道で急潮が発生しやすくなります(急潮については2015年5月8日号で解説しています)。

黒潮が八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。ただし、中規模渦や小蛇行により流れが揺らされるために、黒潮が八丈島に近づき(2015年6月12日号解説今号検証参照)、東海沿岸に暖水が流入しやすい時期があります。この流入から、暖水がちぎれて東海沖を暖水渦が西に進む時期があるでしょう。

図5は6月20日から8月27日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 7月3日の予測値。

 

20150626_Fig4

図4: 8月27日の予測値。

 

図5: 6月20日から8月27日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。

 


JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。

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