現在、黒潮は非大蛇行離岸流路で八丈島の南から八丈島に近づきつつあります。黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、四国の室戸岬に近づいています。 非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。小蛇行が黒潮下流に移動するにつれて、7月までに、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで離岸する時期があるでしょう。 |
現状
図1と図2はJCOPE2で計算した6月13日と6月19日の黒潮の状態です。現在黒潮は、八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路ですが(図1)、前回予測・解説したとおり、再び八丈島に近づいています(図2)。
九州東から四国南にかけて黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、下流に動いており、四国・足摺岬付近を通過し、室戸岬に近づいています。前回の予測に比べて、進行が遅くなっているようです。黒潮本体は足摺岬から大きく離岸していますが、九州東から足摺岬にかけて時計回りの渦による循環が残っているという分析になっています。
予測
図3と図4は7月1日と8月20日の予測です。
6月から7月(図3)にかけて黒潮小蛇行が下流に移動し、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで順に黒潮が大きく離岸する可能性があります。現在のところ、小蛇行をきっかけとして黒潮大蛇行が発生する兆候はなく、小蛇行の通過後に黒潮は接岸します(図3,図4)。6月末から7月初頭にかけて黒潮が足摺岬に接岸し(図3)、豊後水道で急潮が発生しやすくなります(急潮については2015年5月8日号で解説しています)。
黒潮が八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路は当面継続するでしょう。ただし、中規模渦や小蛇行により流れが揺らされるために、黒潮が八丈島に近づき(前回解説参照)、東海沿岸に暖水が流入しやすい時期があります。
図5は6月13日から8月20日までの予測をアニメーションにしたものです。
図5: 6月13日から8月20日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。
JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。