現在、黒潮は八丈島付近を流れています。黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、四国の室戸岬から紀伊半島潮岬付近を通過中とみられます。 小蛇行が黒潮下流に移動するにつれて、7月までに、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで離岸する時期があり、その後接岸するでしょう。黒潮は、伊豆半島沖でいったん本州に近づく接岸流路になりますが、下流に移動してきた小蛇行の影響で、再び八丈島の南を流れる離岸流路が発達すると予測しています。 |
現状
図1と図2はJCOPE2で計算した6月27日と7月3日の黒潮の状態です。現在黒潮は、7月上旬まで続くと前回予測したとおり、八丈島付近を流れています(図1,2)。ただし、黒潮流路の揺れにつながるとした中規模な渦は解消され、伊豆諸島のより西の東海沖には予測よりも暖水が入りにくい状況になっています。
前回まで述べてきた黒潮が岸から離れる移動中の小蛇行(小蛇行1)は四国・室戸岬(図1)から、紀伊半島・潮岬(図2)を通過中です。前回は、小蛇行1の通過に伴い、7月上旬に黒潮が四国・足摺岬に接岸すると予測してましたが、九州東部沖に残っていた小蛇行の残り(小蛇行2)が予測よりも下流への移動を開始し、黒潮の四国・足摺岬への接近は限定的なものになりそうです(図2)。
予測
図3と図4は7月15日と9月3日の予測です。
7月(図3)に黒潮小蛇行1と小蛇行2が下流に移動し、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで順に黒潮が大きく離岸する時期があります。小蛇行の通過後に黒潮は接岸します(図4)。
前回の予測では、黒潮が現在の八丈島付近から八丈島の南にいったん戻るとしてましたが、上述の黒潮の揺れが解消したために予測が変わり、そのような変動は起こらず、逆に7月中旬に短期的に本州に近づく接岸流路になると予測しています。その後、小蛇行1と2が伊豆諸島に近づいてくるとその影響で再び離岸流路が発達すると 見込まれます。
黒潮の接岸流路と離岸流路の違いは2015年2月6日号と、4月10日号の解説を参照してください。
図5は6月27日から9月3日までの予測をアニメーションにしたものです。
図5: 6月27日から9月3日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。
JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。