黒潮大蛇行が始まって7年9か月目になり、過去最長期間になっています。渦がちぎれて、蛇行が大幅に小さくなっています。蛇行は再発達する予測です。 |
高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
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- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは6月21日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。
予測
図1は2025年4月4日の状態の推測値、図2・3は5月13日、6月13日の予測です。
黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, A) 。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が7年9か月目になっており、1975-1980年の4年8か月を大幅に超え、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。
大蛇行から渦がちぎれて(A→A’’) 、黒潮大蛇行の蛇行が大幅に小さくなっています。しかし黒潮はまだ紀伊半島の潮岬から離れており、大蛇行が終わった形とまでは言えません。黒潮大蛇行の指標となっている串本浦神の潮位差(気象庁)にも大きな変化は見られません(「潮岬への黒潮接岸判定法は?: 串本・浦神の潮位差」参照)。
今後は蛇行が再発達するかが注目点になります。今回の予測では、蛇行が再発達するような予測になっています。
一時期を除き、八丈島(●)の北を流れる流路が続く予測です(図1~3)(B)。
黒潮が四国と離れた状態から(図1, C)、近づく予測になっています(図2~3)。
図4は、2025年4月16日から6月25日までの予測をアニメーションにしたものです。

図1: 2025年4月16日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸(●)が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。
図4: 2025年4月16日から2025年6月25日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。