5月21日から7月28日の予測(5月27日発表)

現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路が大きく発達しています。黒潮が潮岬で接岸しています。房総半島で黒潮が近づいています。
黒潮流路は、八丈島の南を流れる離岸流路が当分続くと予測していますが、7月後半に接岸流路に向かう可能性があります。沿岸では、離岸と接岸の小刻みな繰り返しが続きますが、しだいに大規模なものになりそうです。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した5月21日と5月27日の黒潮の状態です。黒潮が八丈島の遠く南を流れ、接岸傾向m,oで(※1)でやや八丈島に近づいているものの、離岸流路が続いています(図1,2)。今月の検証も参照してください。

房総半島では、接岸傾向kにより黒潮が岸に近づいています(図1,2)。そこから西に暖水が入り込み(図1)、暖水渦が東海沖を西進しています(図2)。

黒潮は、四国・足摺岬と室戸岬では一連の接岸傾向と離岸傾向の移動により、接岸とやや離岸を小刻みに交替しています(図1,2)。今月の検証も参照してください。潮岬付近で黒潮が接岸しています(図1,2、接岸傾向q)

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットi,j,,で図示しています。赤字k,m,,が接岸傾向で、青字j,l,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図3まで共通で(前号とも共通)、同じアルファベット、例えば接岸傾向kが、上流から下流に移動していることをしめしています。

Fig1

図1: 5月21日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

Fig2

図2: 5月27日の予測値。


予測

図3と図4は6月4日と7月28日の予測です。

八丈島の南を流れる黒潮の離岸流路が当面続くと予測しています(図3)。接岸傾向が近づく度に離岸が小さくなり黒潮が八丈島に近づくので、それぞれの接岸傾向が今後どれだけ発達するかが注目点です。今回の予測では、7月に黒潮が八丈島の北を流れる接岸流路になる可能性が出てきました(図4)。

九州東岸から潮岬にかけては、しばらくは小刻みな離岸と接岸が続きそうですが(図3)、離岸と接岸の規模はしだいに大きくなってきそうです(図4)。

図5は5月21日から7月28日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 6月4日の予測値。

Fig4

図4: 7月28日の予測値。図3から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図5: 5月21日から7月28日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。