2018/1/21放送・サイエンスZERO「巨大海流 黒潮」(放送後追記あり)

2018年1月21日放送のNHK Eテレ・サイエンスZERO「巨大海流 黒潮」の取材に協力しました。ぜひご覧ください。

番組名 サイエンスZERO「巨大海流 黒潮」
放送日時 2018年1月21日(日)~ 
放送局 NHK Eテレ
番組サイト http://www4.nhk.or.jp/zero/x/2018-01-21/31/11284/2136661/
JAMSTEC広報ページ https://www.jamstec.go.jp/j/pr/media/#20180121_2
関連 スペシャル動画  冬場黒潮からは莫大なエネルギーが放出されていた

放送後追記

(JAMSTECで行われた研究に限らず紹介しています。内容が多岐にわたるので内容を順次追加しています。2018/1/28更新)

コンピューターグラフィックス

黒潮のコンピュータグラフィックスに、アプリケーションラボで計算しているJCOPE-T-NEDOOFES(1/30度版)からデータを提供しました。日本付近の動画にはJCOPE-T-NEDOのデータ、西太平洋に広い範囲の動画にはOFESが使われています。黒潮大蛇行が発達していく様子の動画には、前回大蛇行が発生した2004年のデータが使われています。

気象庁による黒潮大蛇行観測

気象庁による黒潮大蛇行観測は、気象庁のサイト黒潮の大蛇行関連ポータルサイトにまとめられています。観測で使われていたXBT(投下式水温計)に関しては、JAMSTECのサイト「海水を調べる」に解説があります。

黒潮大蛇行の前兆現象としての小蛇行

黒潮大蛇行は急に何も無い所から発生するのではなく、前兆現象として、黒潮上流である九州南東で小蛇行があらわれます。小蛇行が黒潮大蛇行に発達していく様子については「黒潮大蛇行2017の発生を振り返る」で解説しています。小蛇行が生まれるのには、渦の相互作用が重要です[1]

海山の役割

スタジオゲストの東京大学の日比谷紀之教授らのグループは、紀伊半島から約200キロメートル南方の海底にある膠州(こうしゅう)海山という山の、小蛇行から大蛇行の成長への影響を研究しています。この研究については、2017/8/9号「海山が黒潮大蛇行の引き金になる?」で紹介しています。

黒潮大蛇行は予測できていたか?

黒潮蛇行がどれだけ予測できていたかは、2017/11/1号「黒潮大蛇行はどれくらい前から予測できていたか?」で検証しています。

ジョン万次郎と黒潮大蛇行

ジョン万次郎が漂流した時に黒潮大蛇行が発生していた説があります。関連するテレビ番組に取材協力したことがあります(BS日テレ「日米の架け橋 ジョン万次郎の真実を追え!」)。

黒潮の流路

黒潮の位置はどのように変化するの?」では、主な流路として3つのパターンを紹介しています。海上保安庁の用語説明「黒潮の型」では、7パターンが紹介されています。

黒潮はなぜ豊かなのか?

解説されていた東京大学・小松幸生准教授研究室のサイトはこちら。豊かな海として番組で紹介されていた高知県柏島と黒潮の関わりについて私たちも研究を進めています(宿毛湾の海を活かしたまちづくりレポート1宿毛湾の海を活かしたまちづくりレポート2宿毛湾の海を活かしたまちづくりレポート3)。蛇行(渦)が黒潮を豊かにしているというのは、NHKスペシャル「黒潮 ~世界最大 渦巻く不思議の海~」のテーマでした。そちらの解説もご覧ください。

黒潮の大きな蛇行と雪

黒潮が大きく蛇行している時に、南岸低気圧にともなう雪が東京に降りやすいという研究は、鹿児島大学の中村啓彦教授らによるものです。
プレスリリース:『黒潮大蛇行の低気圧と降雪への影響を発見』(2012年9月25日 pdf)
知って楽しい海の話「南岸低気圧と黒潮」は東京大学海洋アライアンスの保坂直紀上席主幹研究員による解説です。

黒潮が大気に与える莫大なエネルギー

冬場に黒潮が大気に放出する莫大なエネルギーについてはスペシャル動画が公開されています。図には人工衛星観測に基づくJ-OFURO3のデータが使われています。

黒潮が世界の天気を変える

吉田聡(あきら)・京都大学准教授(アプリケーション外来研究員、当時アプリケーションラボ研究員)による黒潮が遠くの天気まで影響を与えるという研究は2017/3/1号「黒潮が爆弾低気圧を呼ぶ」で紹介しています。


これまでの取材協力の一覧はこちら
黒潮大蛇行の記事のまとめはこちら

  1. [1]参考文献
    宮澤泰正, 解き明かされつつある黒潮大蛇行の謎と黒潮のこれから, 海洋政策研究財団ニューズレター No. 323
    碓氷 典久, 研究成果:黒潮大蛇行の謎に迫る(新学術領域研究気候系のhot spotホームページ)。
    日原勉・久保田雅久・瀬藤聡・清水学・安倍大介, 九州南東岸沖における黒潮小蛇行と中規模渦, 海の研究, 22, 119-146, 2013 (pdf)