平成24年 8月 1日(水)
早朝、枕元においたペットボトルが転がるのに目を覚まし、とっさに不安が頭をよぎる。カーテンを捲ると、丸窓からは船の揺れに合わせて海が見えたり空が見えたり。
急ぎ
ユニフォームに着替え甲板部へ向かう。海上は、遥か南に位置していた台風10号によるうねりが到達し、時化の状態となっていた。遠く離れていても自然が起こす作用は決して侮れない。
本日は「YKDT」による海底観察調査を断念し、深海潜水調査船支援母船「よこすか」によるマルチビーム海底地形調査を実施した。マルチビーム測深装置は超音波を使用した測深機器であり、
原理としては
魚群探知機と同様である。「よこすか」に装備されている機器は海底面を面的に捉え詳細な海底地形を描くことが可能であるため、海底観察調査時の基礎資料として必須である。
早速、首席研究者並びにオペレーションチームによって変更調査計画が立てられ、現地の海況状況に合わせた効果的な調査を実施することができた。この柔軟な対応は、
調査チームの
知見知識の蓄積より成せる業であろう。人々は経験値や相互協力によって自然と向き合ってゆくのだとあらためて感じた。夕方、海上が穏やかになるのを見て、明日の調査への期待が高まる。
( by J.K )
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