平成24年 8月 2日(木)
昨日とは打って変わり海況は穏やかで調査日和となった。ほっと胸をなでおろす。本日は新たな海域にてAM6:45より深海曳航調査システム(YKDT)の潜航作業を予定していた。まだ開始まで時間があるため、第一ラボラトリ(船内研究室)を覗くとチームの面々が早々と集合していた。考えることは同じで潜航を待ちわびているのであった。
「潜航開始」。アナウンスと共に、本日の予定深度5,380mに向け降下を開始するYKDT。海底到着までは2時間半の予定。潜航速度は0.6m/s、本船と一本のケーブルで繋ぐYKDTを慎重に降下させて行く。海底到着までの間、調査チームは海中より送られてくる映像を確認しつつ、交代で朝食をすませた。
「海底確認」。アナウンスと共にモニタに海底が映し出された。いざ移動開始、海底より高度3mを維持したまま、予定ルートを移動しながら観察を行った。海底観察は約4時間に渡り続けられた。本日の調査は、東北マリンサイエンス拠点形成事業とは直接関係なく、東北太平洋沖地震についてデータを得ることであった。しかしルート上の水深5,300m付近で漁網を確認した。こんな深い場所で漁業は行われているとは考えにくい。この漁網も東日本大震災によるものなのか...謎は残る。
( by J.K )
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