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研究者コラム

スケーリーフット研究小史

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超先鋭研究開発部門
部門長 高井 研

インド洋での深海熱水発見

今では生命誕生の最有力候補地と考えられている深海底熱水噴出孔ですが、発見されたのは意外と最近の1977年で、インド洋ではじめて発見されたのは2000年のことでした。東京大学海洋研究所(当時)の観測船「白鳳丸」が1993年に得た観測結果をもとに実施されたJAMSTECの深海調査研究船「かいれい」及び無人探査機「かいこう」の調査航海によって、インド洋海域で初となる熱水域「Kaireiフィールド」が中央インド洋海嶺において発見されました(2000年12月14日既報) (Hashimoto et al. 2001)。しかし残念ながら、この航海ではスケーリーフットの存在をみつけることはかないませんでした。

スケーリーフットという奇妙な形態の生物の発見

インド洋最初の熱水域「Kaireiフィールド」が見つかって7ヶ月後(2001年)、米国の観測船「Knorr」と無人探査機「Jason」が日本チームから得た情報を元に「Kaireiフィールド」の調査を行い、その時初めてスケーリーフットが発見されました(Van Dover et al. 2001)。これまでに知られる体表に鱗を持つ唯一の巻貝であることに加え、(硫化)鉄の鎧を纏う生物という強いインパクト、そしてカンブリア紀に生息していた鱗を纏う生物群と非常に似ていたことから、その発見は「Science」誌に報告されました (Warén et al. 2003)。現在に至るまで、(硫化)鉄を骨格の一部分として使う生物はスケーリーフット以外には見つかっていません。スケーリーフットの試料が採取され、その形態は珍しく誰が見ても新種の巻貝であることは一目瞭然でしたが、なぜか正式に命名・記載をされることはありませんでした。ちなみに上記の調査から遅れること6か月、2002年に「Kaireiフィールド」で行われたJAMSTECの深海潜水調査船支援母船「よこすか」及び有人潜水船「しんかい6500」の調査航海で、日本の研究チームは初めてスケーリーフットの御本尊と邂逅することになります。タッチの差で最初の発見を逃すことになりましたが、その悔しさが日本の研究者のスケーリーフットに対する後の研究を推進する原動力となったかもしれません。

広がるスケーリーフットの生息地

2009年には「よこすか」及び「しんかい6500」の調査によって、同じ中央インド洋海嶺の「Kaireiフィールド」から北北西に約800 km離れた海域で「Solitaireフィールド」が発見され、硫化鉄に覆われていない白いスケーリーフットが生息していることがわかりました(2010年12月13日既報)(Nakamura et al. 2014)。そして、2011年には英国の調査チームによって、「Kaireiフィールド」から西南西に約2300km離れた南西インド洋海嶺上で「Longqiフィールド」の存在が明らかとなり、そこでもスケーリーフットが生息していることがわかりました(Copley et al. 2016)。オックスフォード大学の大学院生であったCHEN Chong(現海洋研究開発機構研究員)は、これらインド洋の様々な深海熱水域から採取され世界各国に散らばるスケーリーフットの試料を丹念に収集し、綿密な形態解析とマーカー遺伝子の解析を行いました(Chen et al. 2015a; Zhou et al. 2018)。そして、インド洋の深海熱水に生息するスケーリーフットがすべて同一の種であることを明らかにした上で、2015年に「Longqiフィールド」をタイプ産地としたスケーリーフットの分類学的記載を報告しました(Chen et al. 2015a)。Chrysomallon squamiferum (鱗を帯び金羊毛を纏うもの)という正式な名前がつくのに、発見から実に14年もかかったのです。金羊毛はギリシア神話に登場する宝物のひとつで、金(属)を内包する鱗の鎧をそれに見立てて名付けられました。
ちなみに2014年には中国の調査航海が「Longqiフィールド」の東約100kmの海域で「Duanqiaoフィールド」を発見し、スケーリーフットを数個体採取していました(Zhou et al. 2018)。さらにごく最近では、2019年の中国の航海が「Tianchengフィールド」でスケーリーフットの群集を発見し、採取しています(Sun et al. 2020)。

化学合成共生システムもユニーク

体表に鱗を持つ、および硫化鉄の鎧を纏う、といった奇妙な形態的特徴が注目されたスケーリーフットですが、深海熱水からどのようにエネルギーや栄養を得ているのかという生理的な特徴についても研究が進められました。2004年に米国の研究チームによって、スケーリーフットは、食道の一部が肥大化した組織(食道腺、通称:ノドビコ、ノドチンコ等)の細胞内部に共生細菌を棲まわせ、この共生細菌が硫化水素を酸化して二酸化炭素から有機物を作り出すことによって宿主であるスケーリーフットが栄養を得て生きていることがわかりました (Goffredi et al. 2004)。それまでは深海に生息する化学合成を行って生きる貝類はすべて、鰓に共生細菌を収納する共生システムを持っていると考えられていたため、鰓以外の組織に化学合成共生菌を持つ貝類はスケーリーフットが最初の例となります。2014年には日本の研究チームがスケーリーフットの食道腺の共生細菌の全ゲノムを解読し、ゲノム解析と同位体トレーサー取り込み実験結果の両面から硫黄酸化代謝経路や機能の決定に至っています(2013年8月8日既報) (Nakagawa et al. 2014)。さらに、インド洋の様々な熱水域から見つかったスケーリーフットの共生細菌の遺伝子比較を通じて、共生細菌の遺伝的多様性が小さいことわかり、スケーリーフットの共生細菌はスケーリーフット自身の厳粛な選別を通過した「強い共生関係」を持つことが知られています。そして2015年には三次元的な形態再構成分析によって、食道共生というユニークな共生システムの成立に不可欠であったと考えられる、スケーリーフットの体内のユニークな適応機構が明らかになりました (Chen et al. 2015b)。海水と直接触れ合う鰓に比べて食道という宿主の体内奥深くに生息する硫黄酸化共生細菌に血流を通じて硫化水素と酸素を供給するため、巻貝としてはありえないほど巨大化・筋肉質化した心臓(体積4%、人間は1.5%ほど)を持つことがわかりました。シドニーオリンピック女子マラソン金メダリスト高橋尚子を遥に凌駕する心臓の持ち主だったのです。

「スケーリーフットふしぎ発見」のミステリー

発見当初、スケーリーフットの硫化鉄で覆われた鱗は肉食性のカニなどから身を守る防御のために適応した機構であると考えられていました。2006年には、「Kaireiフィールド」の黒いスケーリーフットの鱗を覆う硫化鉄が「愚者の金」とも呼ばれる黄鉄鉱(パイライト)や磁性を持つ磁硫鉄鉱(グレイジャイト)など数種類のナノ結晶鉱物から成ること、さらに鱗が優れた力学強度を持つことが明らかになりました(Suzuki et al. 2006)。これらの結果から、より一層スケーリーフットの硫化鉄で覆われた鱗は捕食者に対する防御のための適応機構なのではないかと考えられました。なお余談ですが、スケーリーフットの体は磁性を持つ硫化鉄を含むため磁石に引き寄せられます。そのため磁石でスケーリーフットの標本をくるくるメリーゴーランドすることがスケーリーフットのアウトリーチ定番の見世物となっています。さて本研究ではスケーリーフットの鱗の硫化鉄形成機構について、材料となる鉄元素と硫黄元素がどこからどのように供給され、どのように鱗表面で結晶化されるのかについていくつかの仮説を提示しました(2006年3月30日既報)。材料の由来については「鉄は外、硫黄は内」が有力で、硫化鉄形成作用については無機説・微生物関与説・宿主本体説が主な論点でした。また2010年には、鱗ではなく貝殻の詳細な研究によって、貝殻が外から(硫化)鉄層・皮(キチン質・タンパク質)層・殻(炭酸カルシウム)層の積層構造になっており、外からの衝撃を和らげる優れた力学機能を持つことが報告されました(Yao et al. 2010)。この優れた力学機能を持つ積層構造は、バイオミメティックス(生物模倣)の例として一時期は米軍の新規開発装甲のデザインに取り入れられると報道された経緯もあり、実際この研究は米軍関連の研究費で実行されています。

しかしインド洋の様々な熱水域に生息するスケーリーフットが見つかるにつれ、「硫化鉄の鎧=防御強化」説に疑問が投げかけられます。これまでのスケーリーフットの生態学的観察結果から、例えば「Kaireiフィールド」に比べて「Longqiフィールド」などの肉食性の動物がほぼ存在しない熱水域のほうがスケーリーフットの個体数が多いことが分かってきました。この結果は、硫化鉄で覆われた鱗が必ずしも捕食防御のために適応・進化したものではない可能性を示しています。また、スケーリーフットの硫化鉄鉱化作用の強弱や詳細な結晶組成が熱水域によって異なること、さらに言えば熱水に含まれる鉄の濃度と関連していること、がわかりつつありました。2016年に行われた「よこすか」「しんかい6500」の調査航海では、「Solitaireフィールド」で採取された白いスケーリーフットの鱗や貝殻組織を2週間ほど「Kaireiフィールド」の黒いスケーリーフットの生息地に置く現場実験を行いました。結果として、箱根温泉の名物である「黒たまご」のように白いスケーリーフットの鱗や貝殻に硫化鉄のコーティングが形成されることが確認されました。興味深いことに、現場実験で得られた白いスケーリーフットの硫化鉄コーティングは一見、黒いスケーリーフットの硫化鉄コーティングにそっくりでした。しかし電子顕微鏡レベルの微視的な鉱物構造や組成は、無機的な作用で白いスケーリーフットから切り離された鱗表面に沈着した硫化鉄と生きた黒いスケーリーフットの鱗表面に形成された硫化鉄では大きく異なることがわかりました。さらに詳細な解析の結果、黒いスケーリーフットの硫化鉄はスケーリーフット本体の作用によって体内から鱗を通じて体外に放出される還元的硫黄化合物が、生息地に漂う熱水由来の鉄イオンと反応して形成されることが示されました(2019年9月10日既報)(Okada et al. 2019)。つまりスケーリーフットにとって重要であったのは、自身にとって有毒な硫黄代謝物を、鱗を通じて排出することであり、鱗表面での硫化鉄の形成はたまたま生息している環境条件に応じて生じる副次的な産物に過ぎなかったことが明らかになりました。硫黄代謝物は鱗の根元付近の軟体組織から鱗内部に無数に存在する百ナノメートル程度の「細い通路」を介して排出され、海水中の熱水由来鉄イオンは「細い通路」を外側から内側に浸透して、「細い通路」内部で硫化鉄結晶成長が起きます。鱗組織の内から外への成長を通じて内部で形成された硫化鉄が表面へと押し出され蓄積します。これが「Kaireiフィールド」の黒いスケーリーフットのナノ結晶硫化鉄形成機構であり、そのためには鱗組織だけでは不十分で、生きたスケーリーフットの生体機能(細い通路を通じたゆっくりとした物質混合)が必要であることがわかります。スケーリーフットが生息するような環境条件で、規則正しい黄鉄鉱結晶からなる硫化鉄構造を無機的に合成することは極めて難しいこと知られています。しかし生きたスケーリーフットの鱗を介した硫化鉄形成メカニズムを陸上で再現することができれば、広範な硫化金属ナノ粒子材料の製造への応用が期待されます。

スケーリーフットが絶滅危惧種に!

さて深海熱水域はとてもユニークな形態や生理を持ったスケーリーフットのような熱水固有生物の地球上唯一の生息環境であると同時に、金属硫化物の鉱床形成の場でもあります。近年、地球全体の人口増加と電子機器普及に伴う金属需要の増加で深海底の鉱物資源が新たな開発対象として注目され始めています。どの国の排他的経済水域にも属さない公海海域における深海底鉱物資源は、国連海洋法条約の発効とともに発足した国際海底機構(ISA)が管理を行い、国や機関が申請した鉱区に一定期間の排他的な探査権利を付与します。スケーリーフットが生息するインド洋の熱水域では、「Lonqgiフィールド」と「Duanqiaoフィールド」に対して2011年に中国の申請が承認され、「Kaireiフィールド」については2015年にドイツ、「Tianchengフィールド」についてはインドの申請が承認されています。すなわち、スケーリーフットが生息する5つの熱水域のうち、モーリシャスの排他的経済水域に存在する「Solitaireフィールド」を除く4つが資源開発の対象として承認されている状況です。

スケーリーフットが深海熱水域の生息環境以外で長期生存できないことは、これまで日本チームが船上飼育と飛行機・船輸送を通じて陸上で飼育に挑戦してうまくいかなかった経験からも明白です。2006年に試みた際には飛行機で輸送中にほぼ全滅してしまいました。その経験を踏まえ2009年は捕獲直後から温度や酸素濃度を厳密に管理し飛行機による輸送と「よこすか」での船上飼育の維持という2つの方法で日本に持ち帰りましたが、最長3週間程度生存させることが精一杯でした(なんとかその年に実施された施設一般公開において生きたスケーリーフットを紹介することができましたが)。またスケーリーフットの集団遺伝学的研究の結果から、距離を隔てた異なる深海熱水域の個体群では相互に交流が乏しいことがわかっています(Chen et al. 2015c)。つまりスケーリーフットは、熱水固有生物の中でも生息地拡大や分散が得意ではないタイプの貝類であると考えられています。そのようなスケーリーフットが、現在にまで知られるたった5つの生息地のうち4つを失ったとしたら、絶滅の瀬戸際に追い込まれかねないと危惧されます。

国際的に絶滅危惧種の審査・認定を行っているのは、国際自然保護連合(IUCN)が発刊するレッドリストになります。例えば、ゴリラ、ニホンウナギ、ジャイアントパンダなどの動物を「絶滅危惧種」と認定しているのもIUCNレッドリストです。将来的なスケーリーフットの絶滅の可能性を回避する方法の一つとして、このレッドリストにスケーリーフットを「絶滅危惧種」と認定させることが考えられます。しかしレッドリストへの登録には対象生物種についての多面的なデータが必要となります。そのため調査に多大な労力、時間および費用を要する深海生物をレッドリストへ登録することは難しいと長年考えられてきました。 「この道を行けばどうなるものか。危ぶむなかれ危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となりその一足が道となる。迷わず行けよ。行けばわかるさ」(アントニオ猪木引退時のセリフ) このスピリットを持って、SIGWART JuliaとCHEN Chongはスケーリーフットに関するこれまでの生理学・進化学・生態学など多面的な研究で得られたデータを取り纏め、2018年に行われたIUCNレッドリスト評価を行うワークショップで申請を行いました。その結果、IUCNレッドリストにスケーリーフットが絶滅危惧種(Endangered・EN [B2ab(iii)類])として認定されることになりました(Sigwart et al. 2019)。生息域の小ささ・少なさ、特異な生息環境、個体群間の交流の乏しさ、および現在の海洋資源探査・将来的な海底資源開発による生息環境擾乱の懸念、が評価理由として認められ、世界初の海底資源開発を考慮に入れたIUCNレッドリストへの登録になりました。IUCNレッドリストの絶滅危惧種評価は国際的に無視できない影響力を持つため、BBC・Nature・Scienceなど100を超える新聞や雑誌に記事が掲載されただけでなく、深海生物の保全にむけた一つの大きな転換点となったといえるでしょう。

「スケーリーフットふしぎ発見」のラストミステリーへの挑戦=本研究

スケーリーフットは10万種をこえるといわれる現生巻貝のうち、唯一鱗を持っている種です。鱗を持っている貝類としてヒザラガイなどが知られていますが、解剖学的な観点からスケーリーフットの鱗はほかの貝類が持つ鱗とは大きく異なり、独立に進化した硬組織であることがわかっています(Chen et al. 2015d)。形態や構造だけを見ると、スケーリーフットの鱗はむしろカンブリア紀に生存していた貝類やその祖先が持っていたものに似ていますが、スケーリーフットの誕生はカンブリア紀より遙かに新しく(ジュラ紀以降)、進化的には似て非なるものであると考えられます。また発見当初は、スケーリーフットが貝蓋を持たないことから鱗の起源が蓋の増殖ではないかと推測されていましたが(Warén et al. 2003)、実際には鱗に埋もれる形で小さな蓋を持つことが分かりました(Nakamura et al. 2014; Chen et al. 2015d)。動物の進化過程では、新しい硬組織(殻・毛・鱗・爪・歯・骨など)の進化が新しい機能や生存戦略の獲得に多大なる貢献をしてきたことは枚挙に暇がありません。いわば、本研究で解明された鱗形成機構こそが、形態も生理機能も共生システムも硫化鉄生物鉱化作用もユニークであった「スケーリーフットふしぎ発見」のラストミステリーと言えるかもしれません。

 

参考文献

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