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研究者コラム

かつてない強さのエルニーニョ現象が成長中!?

記事

情報地球科学研究部門 アプリケーションラボ
極端気候・海洋デジタルツイン研究開発グループ

※このコラムは、2026年1月23日に掲載した研究コラム、2026年4月17日に掲載した研究コラム、2026年5月28日に掲載した研究コラム、2026年8月21日に掲載した研究コラムの続編です。

現在、熱帯太平洋ではかつてない強さのエルニーニョ現象が発生中です。1997/98年や、2015/16年の非常に強いエルニーニョ現象(スーパーエルニーニョと呼称する人もいます)を超えて成長を続けています(スーパーを超えているので、もはやウルトラでしょうか)。

今後はどうなるのでしょうか? スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を使った、アプリケーションラボのSINTEX-F予測システムは、今後も史上最強のエルニーニョ現象が成長を続け、晩秋から冬にピークを迎えると予測しています(図1)。その後、2027年になると急速に衰退し始め、2027年の夏頃にはエルニーニョ現象が終息すると予測しています。

図
図1: エルニーニョ・ラニーニャ現象の指数(単位は℃)で、熱帯太平洋中央から東部にかけた領域(小さい地図の赤色の領域)の海水温の平年からのずれから計算される(単位は℃)。0.5℃(–0.5℃)より高(低)くなれば、エルニーニョ(ラニーニャ)状態と考えられる。黒線が観測で、2026年10月1日時点で予測したのが色線。SINTEX-F2と呼ばれる気候モデルを用いて、海面・海中の観測データを初期値に取り込み、初期値やモデルの設定を様々な方法で少しずつ変えて、スーパーコンピュータで12通りの予測実験を行った(アンサンブル予測と呼ぶ、青色の線:アンサンブル平均値、水色の線: 各アンサンブルメンバー)。アンサンブルメンバーの平均値が、10月から3.0℃を超えて上がっており、先例にないほど発達したエルニーニョ現象が更に強く発達することを予測している。その後、冬まで持続し、2027年になると急速に衰退し始め、2027年の夏頃にはアンサンブルメンバーの平均値が、0℃に近くなり、エルニーニョ現象が終息すると予測している。どのタイミングで終息するかは、アンサンブルメンバー間でバラツキがあり、予測には不確実性がある。

非常に強いエルニーニョ現象が発生した1997/98や、2015/16の冬は、日本は暖冬になりました。一方で、3ヶ月平均としては気温が高く雪が少なくても、数日単位で一時的に強い寒気が南下したり、南岸低気圧が接近したりすることで、湿った空気が流入し、局地的な大雪(ドカ雪)の被害も出ました。

地球温暖化や10年規模変動等の長期的な影響を受け、日本を含む北半球の多くの地域で気温が高い状態が続いてきました。それに加えて、かつてない強さのエルニーニョの影響が加わることで、先例のない極端な事例が日本や世界で頻発し、私たちの生活を脅かす可能性もあります。それらを数ヶ月前から予測する「季節予測」と、その社会応用研究が益々重要になってきました。世界各地の季節予測の詳しい解説や最新情報等は、SINTEX-FのHP、季節ウォッチ、APL Virtualearthなどをご参照ください。

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