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16 Nov. 2015: Bengkulu

ここベンクルは南緯3.8度に位置し,紛れもなく「熱帯」に属します。沿岸部に広がる都市ですので標高も高くありません。こういった情報を伝えると,じゃあベンクルはとっても暑いんだね,と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

では,どのくらい暑いのか。図には,集中観測を始めた9日からの1週間の毎日の気温を赤い細線で,平均的な一日の変化を赤い太実線で示してあります。今年8月の東京(点線;注1)と比較すると,午前中の気温の上がり方はベンクルの方が急激で,最高気温も高いことがわかります(注2)。ところが,午後になるとベンクルでは気温が急激に低下する日が多く(注3),東京に比べて平均気温が低くなります。明け方の気温も,ベンクルは東京に比べてやや低く,それぞれの日を見てもいわゆる「熱帯夜」(最低気温25度以上)は1日しかありませんでした。

それでは,夜は東京よりも過ごしやすいのか? というと,そうとも言えません。なぜなら,とても湿度が高いからです。図の青線をみればわかるように,日中の湿度は東京(点線)とベンクル(実線)で大差ありませんが,夕方から明け方にかけてのベンクルの湿度は東京よりも約10%も高く,90%を超えています。木や草が生い茂るベンクル観測所と街中の東京という周辺環境の違いがこの湿度の差に影響を与えていることも考えられますが,いずれにしても,服が肌にへばりつくような,まったりとした夜を過ごしています。

あくまでもこれは雨季直前のベンクルの様子です。さてさて,これが雨季に入った1ヶ月後にはどうなっているのでしょう?

注1:東京のデータは気象庁のウェブページよりダウンロードしました。
注2:今年8月の東京は,前半は連日35度近くまで達する暑い日々でしたが,後半は曇りがちで気温もそこまで上がりませんでした。そこで,8月上旬という「最盛期」だけで平均気温を描くと,日中の気温は33度に達し,明け方も26度程度までしか下がりません。あのうだるように暑い日々と比べると,ベンクルの日中はまだ過ごしやすいとも言えます(湿度は高いですが)。
注3:この気温の低下には,13日にも書いた夕立が大きく寄与していると考えられます。

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By SY