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10 Dec. 2015: Kototabangみなさんは、高度20kmに浮かぶ風船・バルーンを見つけられますか? コトタバン・赤道大気レーダー観測所では、測器を大型のバルーンに取り付け放球するという方法で、大気観測をおこなっています。今回は夕方限定、しかも降水があるとおこなえません。現地の職員の方とともに、毎日、午後を過ぎると雨が降るという現地の天気を横目で見つつ、放球のチャンスを虎視眈々とうかがっています。 バルーンと測器は、高度およそ35km近くまで旅をします。所要時間は、だいたい1時間半くらい。観測員は、追跡ソフトで大気測定の値を確認します。測器が発する電波の受信状況が悪いとなれば、地上アンテナを調整するなどの作業をおこないます。 さて、写真中央、円がたくさん重なっている図にご注目ください。実は、バルーンと測器の水平位置を示しています。円の中心は放球地点(観測所)です。水平方向に数10km以上も離れながら、移動しているのが分かります。 今回、バルーンと測器は、上空25kmほど上がったころ、観測所の真上に戻ってきました。日没後ということもあり、空を見上げても姿は見えません。でも、地上で手を放してから、ときに雲の中を突き抜け、-80℃以下にもなる低温に耐え、一生懸命に旅をしているとなると、姿が見えなくても愛おしいですね。頑張っているバルーンと測器、現地で作業を手伝ってくださる方々、また貴重なデータを取る機会を与えてくださった方々に感謝しながら、全力で観測をおこなっていきます。 |