毎月月末は過去1ヶ月の予測を検証する予定です。今回は3月27日号の3月21日から4月18日までの予測を検証します。
図1上段は3月21日から予測した4月18日の黒潮の状態です。東海沖の黒潮離岸流路は継続すると予測していました。これは実際にそのとおりになりました(図1下段)。
JCOPEでは、4月3日号で解説しているように、四国・足摺岬で、4月初めは離岸ぎみで、その後中旬にかけて接岸していくと予測していました。このことを観測で確かめてみましょう。図2は足摺岬沖の黒潮牧場13号ブイの 表層で観測された流れです。2015年3月21日から4月24日までの1日毎の流速の大きさ(矢印の長さ)と流速の向き(矢印の向き)をしめしています。 予測していたとおり、足摺岬沖の流速は、黒潮が離岸して流速が弱くなったあと、黒潮が岸に近づいて再び流速が強くなっていることがわかります。
JCOPEでは、1ヶ月前(3月27日号)、あるいは2ヶ月前(たとえば2月27日号)から、九州東方に黒潮小蛇行が発達すると予測していました。少蛇行が発達していることは、海上保安庁や気象庁の資料からもその兆候が見え始めています。ただし、以前のJCOPEの予測では、4月中旬には小蛇行がかなり発達すると予測していましたが(図1上段)、これは少し早すぎました(図1下段)。それにともない上で述べた足摺岬の離岸と接岸時期もやや早めに予測していました。
図3は3月21日から4月18日までの予測値(上段)と現実(下段)の比較をアニメーションにしたものです。
今後、JCOPEが予測しているように、小蛇行が大きく発達するか注目です。

図2: 黒潮牧場13号ブイで観測された2015年3月21日から4月24日までの1日毎の流速の大きさ(矢印の長さ)と流速の向き(矢印の向き)。流れの大きさの単位はノット。データは高知県漁海況情報システムから入手した。図中の地図の赤星印がブイの位置。黒潮牧場ブイのデータは2月13日号、3月6日号でも分析しています。
図3: 2015年3月21日から4月18日までの予測(上段)と実際(下段)の比較のアニメーション。ク リックして操作して下さい。途中で停止することもできます。