無人探査機「ハイパードルフィン」
JAMSTECの有人潜水調査船・無人探査機の中で最多の潜航回数を誇る無人探査機
深度4,500 mまで潜航可能な無人探査機です。6基の大型スラスタによる機動性と、調査機器を載せ換えられる汎用性の高さ、調査・作業中の機体の安定性が特徴です。気象・海象の影響を大きく受ける海洋調査ですが、通算潜航回数は2,200回を超えています(2023年6月時点)。海底の長期観測点構築などの複雑な海中作業や、マニピュレータによる海底の岩や泥などのサンプリング、 カメラによる生物や海底地形の高解像度の画像の取得ができます。
主要設備
深海調査の新たな時代を切り拓き、現在も活躍中
開発当初より、その世代ごとの最先端のカメラシステムを搭載し、神秘的な生物たちの姿や、海底の亀裂や海底火山噴火などの様子を捉えてきました。これら数々の衝撃的な映像や貴重な試料を船上に届け、深海調査の新たな時代の開拓に貢献しています。
「ハイパードルフィン」がとらえた映像の一部(メンダコ属)
「ハイパードルフィン」がとらえた映像の一部(ギンザメ科)
地震・津波観測監視システム DONETへの貢献
DONET(Dense Oceanfloor Network system for Earthquakes and Tsunamis)とは、南海トラフの地震と津波を常時観測・監視するために、海底に構築された観測システムです。 「ハイパードルフィン」は、このシステム構築のためのケーブルの敷設、センサの設置、保守整備、新たな長期孔内観測システムの構築などの海底の重作業で活躍しています。
DONETシステム(現在は防災科学技術研究所にて運用)