深海巡航探査機「うらしま」
世界最大級の機体で高解像度の海底地形をマッピングする深海探査機
1998 年に実験機として開発され、さまざまな試験や改造を重ね、2009 年に実用機として生まれ変わった自律型無人探査機です。大きなペイロード区画を有し、大型の調査機器も搭載可能です。機体に内蔵するコンピュータに入力した調査シナリオに従って自律航行します。洋上の船舶よりも海底に近いところから探査を行うため、解像度の高い海底地形や海底下構造のデータを取得できます。
1回の潜航(サイドスキャンソーナーのみの調査の場合)の最大調査範囲は、37 km²(24時間潜航、速度2.5 ノット、測線間隔440 m)です。
主要設備
高解像度の海底地形図を作る
海底地形を探査するとき、水上船舶は海面から探査するのに対し、「うらしま」は海底付近からより高周波の音波(400 kHz)を使用して探査するため、水上船舶からの探査(下右上図)に比べ、より高解像度の海底地形(下右下図)を得ることができます。
マルチビーム音響測深イメージ
水上船舶による地形図
「うらしま」による地形図
大きなペイロード区画
調査機器を搭載するスペースは大人4人が入れるほどの広さで、採水器や磁力計、重力計など、大型の調査機器の搭載が可能となっています。
移動体搭載型重力計(東京大学地震研究所)搭載時の様子