【目次】
▶ オーストラリアの研究グループによる、世界最古の「ポルフィリン」抽出
▶ 独自の分析技術で、ポルフィリンを単離精製!
▶ 独自の分析技術で、微量な窒素安定同位体比を測定!
▶ 小さくておいしくないシアノバクテリアが、海洋生物の進化を遅らせた?
▶ 良い試料を、自分にしかできない技術で測る
もちろんうれしいです。ただ、こういう記録はどんどん更新されていくものだとも思っています。
全く新しいことをしたいと研究に取り組んでいます。
私は常に王道からは逸れるところがあります。みんながあっちへ行くなら私はこっち、と。だから周りからは「それの何がおもしろいの」といった反応をされます。ですが勝ち目があることはある程度予測した上で、誰もやらないところに踏み込んでいます。このポルフィリンの分析法の開発、微量での同位体比の測定機器の開発もそうして取り組み続け、近年理解してくれる人が現れるようになりました。最近も、いくつか興味深い試料の共同研究の依頼が来たところです。
良いサイエンスをするために重要なのは、“とても良い試料を持ってくるか”、“誰も測れない良い試料を測るか”、または“とても良いアイディアがあるか”だと思います。今回は、非常に貴重な試料をオーストラリア国立大学の研究グループが持っていて、それを分析する技術を我々が世界で唯一持っていた、という点でカップリングしました。